従業員の健康管理は重要な経営課題
次に来そうな健康増進テクノロジー7選 チャットbotやIoTは「健康経営」に効果あり(2/2 ページ)
5.参加を促すインセンティブ
「多くの人は、企業が実施する健康増進プログラムに『Fitbit』などの一般消費者向けのウェアラブルデバイスが組み込まれることを期待している。2018年には、健康増進プログラムへの参加を増やすために、より多くの企業がインセンティブやゲーミフィケーションを利用するようになるだろう」とマッカーシー氏は言う。
Jiffなどのサードパーティーベンダーを利用し、報酬やインセンティブによって従業員の健康活動を促進している企業もある。健康に関して取り決められた目標を達成した従業員は、スーパーマーケットチェーンのWhole Foods Marketやアウトドア用品店のRecreational Equipment(REI)などが提供するギフトカードを報奨として受け取ることができる。Jiffが実施しているプログラムでは、個々の従業員にお勧めの健康促進プログラムを提示して、結果を追跡できるリアルタイムの分析機能を提供している。
6.健康増進プログラムをサポートするチャットbot
Facebookなどのプラットフォームによって、一般消費者は以前よりもチャットbotに慣れてきた。モバイルエンゲージメントプラットフォーム会社のVibesが2017年春に一般消費者を対象に実施した調査では、65%の回答者がチャットbotを使って企業とやりとりしても構わないと答えているという。
2018年には、従業員が健康管理と健康増進のために、Amazon.comの「Alexa」などチャットbotや音声アシスタントの使用が増えるだろう――そう語るのは、ソフィア大学の健康増進を目的としたTransformative Technology Labの共同設立者、ニコル・ブラッドフォード氏だ。
「チャットbotは、企業の従業員支援プログラムの基本的な機能に取って代わるものではなく、補完するものだ。例えば、医療費給付に関する情報を提供したり、身体の健康やメンタルヘルスに関するデリケートな質問に答えたりすることもできる」(ブラッドフォード氏)
「一見、個人的でデリケートな問題をチャットbotに話すことをいとわないのは、直感に反するかもしれない。だが、人間ではなくチャットbotと話をするという匿名性に安心感を覚える人が一定数いることは証明されている」とブラッドフォード氏は指摘する。
南カリフォルニア大学のクリエイティブテクノロジー研究所が実施した調査では、紛争地帯に赴いたことがある兵士と退役軍人がチャットbotに症状を開示する可能性は、軍が公式に実施するアンケートと比べて3倍も高いことが明らかになった。これは、アンケートの回答について匿名性の確保が約束されている場合でも同様の結果だった。
7.企業主導の健康増進プログラムの進歩に貢献するセンサー
2017年に「Apple Watch」の医療用アクセサリーが米国食品医薬品局(FDA)によって初めて承認された。医療機器メーカーAliveCorが発表した「KardiaBand」は、200ドルのリストバンドだ。センサーを内蔵しており、Apple Watchのアプリと連動して医療用途として十分な精度で心電図を30秒で計測して表示する。
2018年以降、従業員が個人的に心臓の健康状態を監視できるようにするために、このようなデバイスに企業は補助金で割引をするようになるだろう。
もっと大規模のものとしては「部屋の雰囲気を読み取って、視覚的なフィードバックを返すセンサーが既に利用できるようになっている」とブラッドフォード氏は語る。例えば、感情認識プログラムの「Empath」は、音声サンプルを分析して、怒り、喜び、悲しみといった感情を特定する。また、Philips Lightingの「Hue Smart Lighting」「Utakata Mood Light」と連動して、会話の雰囲気に応じて部屋の照明の色を変えることができる。
「このような視覚的な指標などのフィードバックは、自分が他者と同じ状態にあるかどうかを確認する上で役立つ。このフィードバックは、前向きな感情、チーム育成、生産性などの向上にも活用できる」(ブラッドフォード氏)
とはいうものの「このテクノロジーは、まだ誕生して間もない」とブラッドフォード氏は語る。そのため、2018年に大幅な普及が見られることはないだろう。だが、今後何年かすれば、職場でのIoTセンサーの使用率は増加するだろう。その目的は、生産性や雰囲気の向上、ストレスの軽減、健康的な行動の促進だ。
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