まずは自社ネットワーク状況を把握すること
最適なネットワーク監視ツールの選び方(2/2 ページ)
ネットワーク監視ツールの分類
ネットワーク監視ツールは中小企業を対象にする製品と、大手企業を対象にする製品に分類できる。また、オンプレミス型とクラウド型にも分類できる。中小企業は一般にパフォーマンスと可用性の監視が必要だ。さらに、簡単に使えることも欠かせない。つまり、ほとんど構成することなく動作し、問題が発生したときに通知するツールが求められる。大手企業の場合は、包括性と拡張性の高いツールが役に立つ。
中小企業が必要とする全ての種類の監視に、優れたツールを利用できる。例えば、ネットワーク監視ツールを提供するPaesslerの「PRTG Network Monitor」は小規模ネットワーク用の無料バージョンを提供しており、大規模ネットワーク用の有料バージョンもある。企業のIT担当者向けサービスを提供するSpiceworksの「Spiceworks Network Monitor」とオープンソースのネットワーク監視ソフトウェアを提供するNagiosの「Nagios Core」も中小企業には人気だ。どちらも無料で利用できる。
クラウドベースのサービスについては、IT管理ソフトを扱うKaseyaの「Kaseya Traverse」やネットワーク監視を専門に扱うLogicMonitorの同名サービスなどのSaaS型の基盤がある。こうした基盤では、ネットワーク、サーバ、Webサイト、アプリケーションの監視機能に加えて、ネットワーク構成やネットワークフローの分析機能が用意されている。もちろん、他の機能も搭載されている。
一部の包括的なネットワーク監視ツールは大手企業を対象とする。例えば、NetScout Systems、SolarWinds、Riverbed Technology、Cisco Systemsなどの製品がこれに該当する。
包括的な製品に求められる必須機能
ネットワーク監視ツールは、実装と構成が少なくとも適度に簡単であるべきだ。また、複数のベンダーのデバイスをサポートする必要がある。
包括的な製品を選ぶ場合は最低でも次のことが求められる。自動検出機能や、ノードとデバイスのインベントリ(棚卸し)作成機能が備わっていること。次に、問題に対して自動的、もしくは設定したタイミングでアラート、警告ができること。全てWebで一元管理画面を介して関連付けができることである。このインタフェースには、ダッシュボードでネットワークの状態をさまざまな視点から表した見やすいグラフや表が表示されるべきだ。
ネットワーク設定の変更や問題解決を行うためのコマンドが用意されていることも欠かせない。他にはネットワークトポロジー図(スター型、バス型などネットワークの接続形態を表す図)が用意されているか、ネットワークトポロジー図を自動生成できるとよいだろう。インタフェースによっては表示とレポートしか提供しないものもある。細かいところだがよく注意すべきだ。
現在のほとんどのネットワーク監視手法はアプリケーションを意識したものになっている。ネットワーク全体で運用されている全てのアプリケーションとサービスを検出して監視できる。この機能は、パフォーマンスの問題が発生した場合に特に有効である。原因がネットワークなのかアプリケーション自体なのか、管理者はすぐ認識できる。アプリケーションを認識するネットワーク管理ツールを使用すると、IT担当者はアプリケーションの応答時間を詳細に追跡できる。具体的には、サーバ処理、ネットワーク要求、ネットワーク応答などの時間だ。
IPv6への移行が本格化している今、ネットワーク監視ツールもIPv6のトラフィックとプロトコルも検出、分析できることが条件となる。
ネットワーク監視ツールは一般的にエージェントやセンサーを使用してデータを収集し、分析用の管理機能に転送する。エージェントを実行するには多少のリソースが必要になり、これがパフォーマンスに影響する可能性がある。一方、エージェントを使用しない製品は設計上、現在のプロセスにほとんど影響を与えない。または、全く影響しないよう設計されているものもある。エージェントベースの監視手法とエージェントを使用しない監視手法、そのどちらを求めるかというのも検討すべき機能の1つだ。
最後に、IT担当者にとって非常に役立つリソースとして、「トレンド予測機能」がある。過去のリソースの変化状況を記録したトレンドデータがあれば、管理者はネットワークパフォーマンスデータを振り返って確認できる。トレンド予測機能は、ネットワークパフォーマンスで今後最も起こりそうな事象を確認できる。管理者が自分で選んだ基準について調査し分析するには、どちらの種類のデータも掘り下げられることが必要となる。
その他の機能
自動容量計画機能(容量を予測して対処する機能)は便利な機能だ。だが、全ての種類の環境で必要になるものではない。利用可能なメモリ、帯域幅、ネットワーク容量が上限を超えそうになることがある。この機能は、そのような場合に必ずネットワーク管理者に警告を送ることで、ネットワークインフラの管理と最適化を円滑にする。
チケットベースの制御による資産と構成の管理機能も、あれば重宝する機能だ。これは主に大規模な環境が対象となる。
要件は多いが、全てを満たす製品は存在する
現在の自社のニーズを満たしていて、かつ今後のネットワークの拡大に対応できる拡張性のある包括的なネットワーク監視製品を探すべきだ。中小企業か大手企業か、オンプレミス製品かクラウドベース製品か、いずれの場合も非常に多くの選択肢が用意されている。本稿がその選択の参考になれば幸いだ。
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