ポイントは「クラウドなら何ができるのか」
ビッグデータで輝くITスキルは、舞台がクラウドに移るとどう変わるのか?(2/2 ページ)
クラウドベンダーの注目すべきサービス
ITチームはビッグデータ構想をサポートするために、ベンダーのさまざまなクラウドサービスを幾つか組み合わせる準備も必要になる。こう話すのは、コンサルティング企業Cloud Technology Partners(Hewlett Packard Enterpriseが買収)で主席Azureアーキテクトを務めるムハンマド・ナビール氏だ。
「さまざまなサービスを細部まで理解し、それらを連携させて実装する必要がある」(ナビール氏)
ナビール氏によると、大手クラウドベンダー3社の注目すべき重要なビッグデータサービスがあるという。Google、Microsoft、Amazonについて紹介しよう。
Google(Google Cloud Platform)
- 分析データウェアハウス用のGoogle「BigQuery」
- バッチとストリーム処理用の「Cloud Dataflow」
- 管理対象のHadoopとSpark用のGoogle「Cloud Dataproc」
- データ探索用のGoogle「Cloud Datalab」
Microsoft(Microsoft Azure)
- オープンソースフレームワークなどを利用するための「Azure HDInsight」
利用可能なのは分散処理の「Hadoop」「Apache Spark」「Apache Storm」、分散処理基盤の「Microsoft R Server」、NoSQL型のデータベース「Apache HBase」などである。
Amazon(AWS)
- HadoopとSparkを使用するための「Amazon Elastic MapReduce」
- Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)での分析用の「Amazon Athena」
- クラスタ用の「Amazon Elasticsearch Service」
サードパーティーのトレーニングオプション以外にも、クラウドベンダーが導入を支援する学習機能を用意している。例えば「Google Cloud Console」は無料トライアルが可能でサンプルも付属している。
ナビール氏は、実践的体験が大いに役立つと考えている。「講義を聞くことも十分役には立つが、実際の現場で利用できるかどうかは座学だけでは分からない」と同氏は話している。
ビッグデータの全体像を見る
ベンダー固有のビッグデータのサービスに関する知識は重要だ。だが、複数のクラウド基盤にまたがってチームのスキルを多様化する努力も必要だ。市場での圧倒的勝者はまだ決まっていない状態で、1社のベンダーに頼り過ぎるのはやや短絡的だからだ。こう語るのは、ネットワークトラフィック分析ベンダーKentikの共同創立者兼CEOのアビィ・フリードマン氏だ。
「長期的に見れば需要のないスキルセットを開発している可能性もある」とフリードマン氏は話している。分散システムや分散データベースなど、クラウドでのビッグデータに関連する一般的な概念を習得するのが適切なアプローチだ。
「一般的な概念を習得してしまえば、特定のクラウドサービスベンダーが導入するテクノロジーを習得するのは非常に簡単になる」(フリードマン氏)
また、どのクラウド環境でも、アプリケーションの種類から格納されるデータの種類まで、そのデータに対するアクセスと使用のさまざまな方法を徹底的に理解したおく必要があると話すのは、デジタルマーケティングを取り扱うMonday Loves Youでディレクターを務めるキャシー・デニス氏だ。
「つながりを考案する担当者やチームが、ビジネスの各所にさまざまなプロセスが必要になることを理解していなければ、事態はどんどん良くない方向に向かうだろう」と同氏は話す。ITの新規プロジェクトと同様、知的な好奇心と的確な判断力が大いに役立つだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー