ポイントは「クラウドなら何ができるのか」
ビッグデータで輝くITスキルは、舞台がクラウドに移るとどう変わるのか?(1/2 ページ)
企業は、ビッグデータの処理基盤をクラウドに移している。この動きは、それまでのITスキルを覆すことはないが、管理者や開発チームには幾つか変化が求められるだろう。
新しいビジネスチャンスを見つけるため、もしくは気付いていない不備、不満を見つけるために企業はビッグデータの活用を推進し続けている。以前に比べクラウドの利用ハードルが下がった今、企業はビッグデータをクラウドに送り込もうとしている。だが、ビッグデータの分析チームにはその準備ができているだろうか。
既に自社のデータセンター内でビッグデータへの取り組みを進めているとしても、クラウドでの成功が約束されるわけではない。多くの場合、新しいトレーニングとスキルセットが必須になる。
併せて読みたいお勧め記事
ビッグデータ分析に必要なこと
さまざまな分野で競い合う大手クラウドベンダー
一般にクラウドでビッグデータを扱う場合は、オンプレミスの導入に比べてコストを削減できると話すのは、IT調査会社のEnterprise Strategy Groupでシニアアナリストを務めるマイク・レオネ氏だ。クラウドでビッグデータのシステムやプロジェクトを運用する場合、基本的にビッグデータの専門家をスタッフとして抱える必要はない。例外は分散処理フレームワークの「Hadoop」が関わる場合だけである。
「例えば、オンプレミスの5ノードHadoopクラスタをクラウドの5ノードHadoopクラスタに置き換えるのは実に簡単だ。だが、これを管理するのは難しい。特にソフトウェアの相互運用性に関連する課題が生じる」(レオネ氏)
クラウドコンピューティングでのビッグデータに求められる4つのスキル
ITトレーニング企業のLinux Academyでビッグデータ分析部門のディレクターを務めるマニーシャ・スーレ氏によると、ITチームは4つの主要分野に注目すれば、クラウドでビッグデータを適切に扱うことができるという。
1.管理
この役割には、Hadoopと非リレーショナルデータベースである「NoSQL」の管理方法に関する知識が不可欠になる。管理者は、ストレージ、ネットワークなどのインフラコンポーネント(クラウドでインフラを構成する要素)を注意深く構成、管理して、ビッグデータプロジェクトをサポートしなければならない。そのためにHadoopとNoSQLの大量のデータを扱う経験が役に立つ。
2.開発
スーレ氏によれば、ビッグデータ開発者には「Python」「Scala」、Javaなどの言語でのプログラミング経験が求められるという。また、Amazon Web Services(AWS)のストリーミングデータをリアルタイム処理する「Amazon Kinesis」やサーバレス処理の「AWS Lambda」などの利用経験もプラスになる。こうしたサービスはマイクロサービスベースのアーキテクチャでリアルタイム処理を行うための代替手段を提供する。
3.分析
クラウド内でビッグデータの分析を行う場合は、統計、データマイニング、機械学習、オペレーションズリサーチ(最も効率的になるようにさまざまな検証をする手法、シミュレーション)、プログラミングの専門知識が求められる。データサイエンティストやアナリストだけでなく、機械学習とAIのエンジニアも、アルゴリズムの構築方法を習得し、それらのアルゴリズムを自動化して大量のデータセットを操作する方法を学ぶ必要があるとスール氏は話す。
4.視覚化
視覚化機能の開発者は、収集するビッグデータに関するストーリーを伝えるダッシュボードをデザインする。この役割を担うITプロフェッショナルは、全く異なるさまざまなデータソースにアクセスして、それらを統一性のある対話型情報基盤に統合する。
これら4つのスキルを習得できる講座はあるが、IT担当者は実践的な学習アプローチを採用するのがベストだとスール氏はいう。クラウドは、この学習モデルにも適している。
「準備は簡単で、試用アカウントを登録するだけだ。そうすれば、利用可能なサービスを直接体験できる」と同氏は話す。さらに正規講座のほとんどが、実践的な学習計画を含んでいる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソミック石川に学ぶ、ICT浸透後に直面した「工数管理」の課題と解決策
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
2
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
AIが本番環境を削除し復旧に13時間 「暴走」ではなかったAWS事例
-
5
IT人材の42%が転職予備軍 辞めさせない組織の4つの共通
-
6
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
7
ANAが専用回線から移行した「NaaS」の全貌 ネットワーク準備が数カ月から数週間に
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
VBAマクロ“原則ブロック”後に「Office」でマクロを実行する方法
-
10
「プログラマー不要論」にThe Linux Foundationが示した答え
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
9
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
10
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー