各機能のさまざまなユースケースをおさらい
人材管理システムの主要コンポーネントと失敗しない選び方(2/2 ページ)
給与計算のアウトソーシング
大企業とは異なり、中小企業(SMB)は必ずしも人事担当スタッフがいるわけではない。また給与計算、口座振込、課税などのHR中核機能を自社で行うことを望まない企業もある。こうした企業は、HRソフトウェアベンダーに給与計算をアウトソーシングするのが理にかなっている。これらのベンダーが必要なタスクを代行してくれれば、ビジネスの成長と管理に人材を充てることが可能になる。
アウトソーシングを請けるベンダーは、オンデマンドのHRコンサルティングサービスを用意しているところも多い。これは、従業員の雇用と解雇、業績測定のサポートも必要としているSMBには役立つ可能性がある。
こうしたHRタスクが、HRの経験がなく、HRの法的側面を理解していない業務部門の管理者に委ねられることも多い。ここで出番となるのが、オンデマンドのコンサルティングを提供するアウトソーシング企業だ。アウトソーシングベンダーの大半はクラウドベースで、24時間365日にわたって給与システムへのアクセスを提供するため、従来型の勤務体系をとらない従業員の柔軟性が向上する。
コラボレーションにSNSを利用
既にHR中核ツールや人材管理ツールを導入している企業は、そのほとんどが、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やコラボレーションツールで従業員がアイデアや情報を交換できるようにすることで、HRを次のレベルへと進めることを考えている。プロジェクト単位で仕事をする企業や、従業員を共通の目的に向かって連携させる必要がある企業の多くがこれに該当する。例えば医療業界はコラボレーションテクノロジーを使用して医師、薬剤師、看護師などの医療従事者が共同で患者を管理できるようにしている。
企業はまた、SNSを使用して従業員調査を実行し、従業員の姿勢や職場の空気を判断している。
他にも、HR部門は、企業ブランドの周知、企業文化の共有、さらには欠員を埋められそうな候補者の採用を実行するため、一般的なSNSに目を向けている。ほぼ全てのHRソフトウェアベンダーが、こうした目的でSNSツールを提供している。
オンライントレーニング
多くの企業は、人材管理と人材育成戦略の一環として、従業員のキャリアアップを図り、企業にとっての価値を高めたいと考えている。
そのため、従業員がデスクトップとモバイルデバイスの両方から、時間と場所にかかわらず受講できるオンライントレーニングを提供している。
こうしたHRの目的が特に広がっているのは、新たなブレークスルー(と新しいスキルの必要性)が絶え間なく生じるテクノロジー駆動型の企業だ。
オンライントレーニング分野においても、HRM機能が多くのベンダーから提供されており、企業のトレーニングプログラムの開発と管理をサポートする。
実績に応じた報酬
企業への貢献度に応じ、賞与や昇給によって優秀な社員に報酬を与える機能を求める企業が増加の一途をたどっている。問題は、旧来のHRシステムやそのアプローチのほとんどは、仕事にかけた時間や勤続年数によって昇給を行うようになっていることだ。
貢献度によって従業員に報酬を与える「業績連動給与」モデルを採用するには、既存のHRソフトウェアに拡張機能が必要となるだろう。こうした拡張機能は「報酬管理モジュール」という形をとることが多い。主な考慮事項になるのはもちろん、追加ソフトウェアの長期的な統合計画だ。報酬管理ツールを提供し、ニーズに応じて別のHRシステムに拡張できるベンダーを見つけるのが最適といえる。
HR分析による可視化
HRマネジャーや主要企業幹部は、上述のHR構想がどれほど適切に機能するかを確認したいと考えている。HR分析を使用して、離職の傾向や給与レベル、採用活動について分析することを求めている。また、従業員の離職理由、従業員の定着率を向上する方法、勤務先としての魅力を高めるものを判断するために、予測分析の実行も必要としている。最終目標は、最も優秀な人材を確保し、企業にとどめることだ。
企業の規模に関係なく、HR分析から洞察を引き出すことができる。例えば公共機関も民間企業も、福利厚生のコストを管理することは重要だ。だが、SMBであれば、ニーズは業績測定の数値化のみという可能性もある。
規模や業界を問わず、ほとんどの企業はHR分析(ピープルアナリティクス、人材分析ともいう)の経験が浅い。このため、HR分析の導入サポートにおいて強力な実績を持つベンダーを検討するのが一番だ。HR部門が即座に実践できる、簡単に構成可能な分析レポートを用意しているベンダーがよいだろう。分析ベンダーを選ぶ上ではITインフラも重要だ。ベンダーが提供する分析レポートは、別のシステムに保存済みの従業員関連のデータを簡単に操作できなくてはならないためだ。
業界に合わせたオーダーメイドのHRソフトウェア機能
食料品小売店の利幅は非常に薄い。販売商品の量が多く、ほとんどの従業員は数千箇所にも及ぶさまざまな販売地域において時給で働いている。こうした企業は、人員分析ツールやその他のHRMシステムを導入して、従業員のスケジュールの最適化、作業プロセスの合理化、運用のコストと無駄の削減を実行する必要がある。
石油採掘業者やガス掘削会社はプロジェクトベースで運営されていて、熟練の従業員と請負業者がスタッフを増強している。こうした企業は、従業員と請負業者両方の人員ニーズに対処できる人材管理ツールが必要になるだろう。
また他にも、組合員と非組合員の従業員両方の給与計算を実行するために、さまざまな報酬率、控除、届け出規則に対応できる給与計算システムを求める企業もある。
HRソフトウェアベンダーの中には、業界を特化したHRMツールを求める企業に向け、特定業界のHRニーズに合わせて最適化した製品を用意しているところもある。
HRMシステムを決定して購入する前に
最新のHRソフトウェアスイートは非常に多機能だ。あまりにも多くの選択肢に圧倒されないよう、目的や用途をはっきりと定めておくことが重要になる。
企業は、既に十分機能している既存のHR運用プロセスとシステムプロセスを評価する必要がある。多くの場合、これらのプロセスは据え置いて、既存のHRソフトウェアベースと簡単に統合できる製品を追加するに留めるのが、最善かつ最も簡単なやり方だ。
だが企業によっては、メンテナンスのコスト、運用とシステムの欠点、ソフトウェアの制限が許容範囲を超えていることもある。このような場合、システムを改革し、ビジネスプロセスを改善する最も現実的な方法は恐らく、主要システムの交換になるだろう。
自社のニーズと目的を十分に理解したら、提案依頼書に含めるべき必須機能を特定する段階に入る。
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