ゼロタッチプロビジョニングはAppleだけじゃない
Apple、Google、Samsung、Microsoftが提供するモバイルデバイス自動登録機能の違い(2/2 ページ)
Android Zero-Touch Enrollment
Androidには最近ZTEというゼロタッチプロビジョニングのサービスが導入された。スムーズでセキュリティが確保された方法でOSを登録できるようになっている。この新しいサービスによって、企業はエンドユーザー向けに必要な管理設定が事前構成されたデバイスを購入できるようになる。ユーザーは、必要なリソースを入手するため、デバイスにサインインするだけだ。
AndroidのZTEサービスを利用するには、ZTEソフトウェアのサポート認定を受けたAndroidベンダー(Samsung Electronics、Sony、LG Electronics、Motorola、Huaweiなど)や通信事業者からデバイスを購入しなければならない。小売店で購入したデバイスでは利用できない。
企業がデバイスを注文すると、リセラーがその企業向けにZTEアカウントを設定する。企業の管理者はそのアカウントを使ってZTEのポータルにアクセスできる。IT部門は、ZTEポータルからデバイスの構成ポリシーを定義する必要がある。
ZTEポータルでは、デバイスを管理するMDM基盤を指定することもできる。VMware、BlackBerry、MobileIron、Sotiなど、数社のMDMベンダーが自社製品にZTEを統合している。
AndroidリセラーはZTEポータルの構成設定を使用して、モバイルデバイスを設定後、そのデバイスを顧客に発送する。リセラーはデバイスごとに一意IDも割り当てる。このIDは従業員が初めてデバイスにサインインするときに必要になる。デバイスにサインインすると、プロビジョニングのプロセスが開始され、指定したMDMサービスにデバイスを自動登録する。
Knox Mobile Enrollment
Samsungは、自動登録に真剣に取り組んだ最初のAndroidベンダーだ。同社のKMEサービスは、数千台のデバイスを一度に登録できるようにする。その際、IT部門はどのデバイスにも一切触れる必要はない。
企業は、KMEをサポートする任意のMDMシステムを利用できる。ただし、MDMサーバはKMEサーバに接続できなければならない。KMEサービスは柔軟性が高く、複数のMDM基盤と複数の登録構成を作成することができる。管理者はKMEサーバを使用して、利用可能なMDM基盤ごとにプロファイルを作成すればよい。
企業がKMEサービスを利用するには、認定リセラーや認定代理店からデバイスを購入する必要がある。販売元は、デバイスと一緒に、そのデバイスのシリアル番号と専用のID(IMEI:International Mobile Equipment Identity)番号を顧客に提供する。管理者はいずれかの番号をKMEサーバにアップロードすることで、デバイスをKMEに登録できる。
ユーザーがデバイスを初めて起動すると、KMEのセットアップウィザードによってMDMエージェントが立ち上がり、デバイスを構成し、MDMサービスを使って登録する。ユーザーはデバイスを起動するだけだ。
Microsoft Azure AD と Windows AutoPilot
企業内の「Windows 10」搭載モバイルデバイスの数はこれまでになく少なくなっている。だが、このOSを搭載するデスクトップPCやノートPCはいまだに使われている。そしてMicrosoftは、デバイスの登録と管理の効率を上げる最新のモバイル管理製品に顧客を誘導し続けている。
Microsoftが最新の管理手法をサポートする方法の1つにActive Directory
(AD)を活用した「Azure Active Directory Join」がある。管理者が企業所有のWindows 10搭載デバイスを、IntuneなどのMDMシステムを使用して自動的に登録や管理をするためのサービスだ。
登録を実行するため、Azure AD Joinはユーザーとデバイスの認証をした後、デバイスの自動登録に必要なID情報をMDMサービスに提供する。このプロセスは、管理者とエンドユーザー双方の登録作業を簡略化する。企業がAzure AD Joinを使用して自動登録するためには「Azure AD Premium」ライセンスが必要だ。
Windows 10の「バージョン1709」(Fall Creators Update)からはグループポリシーの設定を使用して、MDM製品を使った自動登録ができる。だが、このアプローチには多くの制限事項がある。例えば、デバイスが既にADに参加し、実行するMDMサービスがAzure ADに登録されていなければならない。また、ユーザーはAzure AD Premiumライセンスを持っていなければならない。
最近、Microsoftは「Windows AutoPilot」サービスを導入している。これは、新しいWindows 10搭載デバイスを事前構成して自動プロビジョニングする一連のテクノロジーだ。初めてデバイスの電源をオンにする。このときユーザーに求められるのは、ネットワークに接続して資格情報を確認することだけだ。それ以外の作業は、MDMサービスでのデバイスの登録を含め、全て自動的に処理される。それがAutoPilotの特徴になっている。その後、管理者はこのサービスを使用して、ポリシー、プロファイル、アプリなどのコンポーネントを管理できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー