分析機能とセキュリティを強化
Windows 10の更新とアップグレードを簡単にする7つの機能
Microsoftが同OSに搭載している「SetupDiag」「ロールバックスクリプト」など、Windows 10の更新とアップグレードのプロセスを単純化するための7つの機能を紹介する。
Windows 10の機能更新プログラム「Windows 10 April 2018 Update」では、ITプロフェッショナルによるWindows 10の更新とアップグレードを支援するため、7つの重要な機能が導入された。
Windows 10 April 2018 Updateでは、Windows 10の更新の際にIT部門がカスタムアクションを実行したり、IT部門が更新前の状態に戻す場合にスクリプトの実行を指定したりすることができる。同更新プログラムでは「Deployment Image Servicing and Management(DISM)」ユーティリティーに新しいコマンドが加わった他、新しく登場したコマンドラインユーティリティー「SetupDiag」を使って更新の失敗をITプロフェッショナルが診断できるようになった。
さらに、Microsoftは「Update Compliance」「Upgrade Readiness」「Device Health」の強化を図り、Windowsのアップグレードと更新に関係した機能を盛り込んでいる。
カスタムアクション
Windows 10 April 2018 Updateから、ITプロフェッショナルはアップグレードや機能更新の際にカスタムアクションを実行できるようになった。カスタムアクションは、特別なスクリプトファイルの「.cmd」に保存できるバッチコマンドで、更新プロセスのプリインストールかプレコミットの段階で実行される。
プリインストールはシステムとデバイスの互換性スキャンが実行される前の段階で実行される。プレコミットはシステムが再起動してオフラインフェーズに入る前の段階で実行される。
プリインストールの過程でバッチコマンドを実行したいITプロフェッショナルは、そのコマンドを「preinstall.cmd」のファイルに付け加える。プレコミットの過程でバッチコマンドを実行したい場合は、「precommit.cmd」のファイルにコマンドを付け加える。
更新に失敗した場合、あるいはIT部門が更新前の状態に戻したい場合は、「failure.cmd」のファイルにバッチコマンドを追加することもできる。
ロールバックスクリプト
更新が失敗した場合や、変更前の状態に戻したい場合、ITプロフェッショナルはセットアップユーティリティーを使ってスクリプトを実行できる。
このスクリプトは、ユーザーが更新機能をアンインストールして、自分のシステムをそれ以前のバージョンのWindowsに戻した場合にも実行される。ITプロフェッショナルがこうしたセットアップオプションを使うには、スクリプトのバッチコマンドを「setuprollback.cmd」のファイルに保存する。同ファイルはローカルフォルダ内、またはUniversal Naming Conventionのネットワークパスを通じて見付けることができる。
Windows 10の更新を管理する際にITプロフェッショナルがスクリプトを実行するには、管理者コンテキストかシステムコンテキストを選択する。管理者コンテキストでは、更新後最初にWindowsにログインするユーザーが、そのスクリプトを実行できる管理者特権を持っていなければならない。ITプロフェッショナルがそうした特権を持っていない場合は、システムコンテキストでスクリプトを実行できる。
DISMコマンド
ITプロフェッショナルはDISMコマンドラインユーティリティーを使って、Windowsイメージ(.win)や仮想ハードディスク(.vhdまたは.vhdx)の準備と提供ができる。同ユーティリティーはWindowsに組み込まれていて、コマンドプロンプト、または「Windows PowerShell」経由で実行できる。
MicrosoftはWindows 10の更新管理を支援するため、DISMに4つのコマンドを追加した。
- Initiate-OSUninstall コンピュータを元のWindowsインストール状態に戻すアンインストール操作を開始する
- Remove-OSUninstall Windowsのアンインストール機能をコンピュータから削除する
- Set-OSUninstallWindow 更新後にITプロフェッショナルやユーザーがアンインストールを実行できる期日を指定する
- Get-OSUninstallWindow 更新後にITプロフェッショナルやユーザーがアンインストールを実行できる残り日数を表示する
Microsoftはこうした設定をITプロフェッショナル専用に追加した。
SetupDiagコマンドラインユーティリティー
Windowsの更新やアップグレードは、ハードウェアデバイスやハードウェアドライブ、インストールされたソフトウェアなどが原因で失敗することがある。Microsoftが提供するコマンドラインユーティリティー「SetupDiag」は、SetupとEventのログファイルを解析して、失敗の原因を診断する。同ユーティリティーでは、解析結果をテキスト形式で表示する。
SetupDiagでは、事前に定義されたルールを使って既知の問題と照らし合わせる。ルールは「rules.xml」のファイルから引き出す。SetupDiagの最新版となるバージョン1.20には、41のルールが含まれており、その数はリリースごとに増えることが予想される。同ユーティリティーはWindows 10でのみ動作でき、「.NET Framework 4.6」を必要とする。
ITプロフェッショナルは、ルールによっては処理に長時間かかる場合もあることを認識しておく必要がある。
Update Compliance
「Windows Analytics」の一機能である「Update Compliance」サービスは、IT部門によるWindows 10の更新管理を支援する。Update Complianceは、Windowsの更新を監視して追跡するためのツールで構成される。
Windows 10 April 2018 Updateのリリースで、MicrosoftはUpdate Complianceの強化を図り、組織のDelivery Optimizationの構成に関する情報を盛り込んだ。Delivery Optimizationは、パッケージのダウンロードを複数のデバイスで共有することによって、組織がWindowsの更新に伴う全体的な帯域幅の消費を抑える助けになる。
Update ComplianceにあるDelivery Optimization(配信の最適化)の項目は、Delivery Optimizationを用いた更新に対する可視性を高める。ITプロフェッショナルはこの情報を利用して、過去28日の間にP2P配信に加わったデバイスの更新に伴う帯域幅消費について診断できる。
Update Complianceの画面には、各デバイスのダウンロード設定、カテゴリーごとに削減された帯域幅の割合、コンテンツタイプごとのデータ総量の内訳が表示される。
Upgrade Readiness
「Upgrade Readiness」は、エンド・トゥ・エンドでアップグレードプロセスを計画・管理するためのツールを提供する。MicrosoftはWindows OSやファームウェアの更新に備えてセキュリティ関連問題の発見を支援するため、Upgrade Readinessを更新した。
Upgrade Readinessの画面には、問題発見のためのツールが新たに3種類加わった。
- コンピュータによるウイルス対策の状況 管理対象のWindowsデバイスに搭載されたウイルス対策ソフトウェアが、Windowsの最新版に対応しているかどうかを表示する
- コンピュータによるWindowsセキュリティ更新プログラムの状況 管理対象のWindowsデバイスに、「Spectre」と「Meltdown」の脆弱性に対処するセキュリティ更新プログラムがインストールされているかどうかを表示する。さらに、管理対象のシステムで、関連する修正プログラムが無効にされているかどうかを確認する
- コンピュータによるファームウェアのセキュリティ更新プログラムの状況 SpectreとMeltdown対策用ファームウェアの更新機能がインストールされた管理対象デバイスの数を表示する
組織でUpgrade Readiness機能を使うためには、管理対象のWindowsデバイスが「http://adl.windows.com」のエンドポイントに接続できる必要がある。同エンドポイントでは、更新プログラムの互換性情報をクライアントコンピュータに伝達する。
Device Health
「Device Health」はWindows Analyticsの機能で、ユーザーが遭遇する一般的な問題に関する報告を提供する。これによって、ITプロフェッショナルによるWindows 10の更新とアップグレードを支援し、潜在的な問題に積極的に対策をとれるようにする。MicrosoftはDevice Healthに「App Reliability」を追加して、アプリケーションの更新や設定の変更が、システムのクラッシュを防ぐ助けになるかどうかをITプロフェッショナルが判断できるようにした。
App Reliabilityレポートのデフォルトの画面には、過去14日間の間にアプリケーションリライアビリティーイベントを記録した管理対象デバイスの数が表示される。
Windowsでは、アプリケーションが突然終了したり、反応が停止したりすると、リライアビリティーイベントが記録される。デフォルトの画面には、デバイスと利用件数も表示され、ユーザーが過去14日の間にどれくらい集中的にアプリケーションを使ったか判断する一助になる。ITプロフェッショナルはレポートを掘り下げて、デバイスを横断するアプリケーションの挙動について詳しい情報を参照できる。
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