教育機関IT活用・セキュリティ座談会【第1回】
「VTuber」が先生に? 佐日中等、関東第一が語る学校IT活用の今とこれから(1/2 ページ)
先駆的なIT活用を進める教育機関は、ITをどのように活用し、どのような製品/技術に注目しているのだろうか。佐野日本大学中等教育学校の安藤 昇氏と、関東第一高等学校の横山北斗氏に話を聞く。
教育現場では、タブレットや無線LANなどのITツールの整備や活用を進め、新しい学習の姿を実現しようと模索が続いている。注意すべきなのは、ITがもたらす可能性や利便性は、セキュリティリスクと表裏一体ということだ。
いち早くIT環境を整備した教育機関は、どのようにITを活用し、どのようにセキュリティ対策に取り組んでいるのだろうか。佐野日本大学中等教育学校(以下、佐日中等)でICT教育推進室室長を務める安藤 昇氏と、関東第一高等学校(以下、関東一高)教務部長の横山北斗氏、さらに教育機関のIT活用に詳しいラックのマーケティング戦略室長、武田一城氏の3氏に、一歩先行く取り組みの実態を尋ねた。
第1回となる本稿では、佐日中等と関東一高によるIT活用の現状と今後の展望に関する議論から、先駆的なIT活用校の実態を探る。
参加者(所属・役職は取材時)
安藤 昇氏 佐野日本大学中等教育学校 ICT教育推進室室長
横山北斗氏 関東第一高等学校 教務部長
武田一城氏 ラック マーケティング戦略室長
モデレーター
宮田 健氏
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―― 佐日中等と関東第一は、先駆的なIT活用校として知られています。安藤先生と横山先生はそれぞれ、校内でどのようにIT活用に取り組んでいらっしゃるのでしょうか。
クラウドとモバイルを有効活用
安藤(以下、敬称略) 佐日中等は現在、Googleの教育機関向けオンラインオフィススイート「G Suite for Education」(以下、G Suite)を主に活用しています。導入のきっかけは、国内の教育機関としては非常に早い2007年に、日本大学がG Suite(導入当時は「Google Apps Education Edition」)を導入したことです。佐日中等は日本大学の付属校ということもあり、この話を聞いて、見よう見まねでGoogleに問い合わせました。
G Suiteを使い始めてみたら、非常に使い勝手が良かったので、G Suiteを全校導入することにしました。Google側も学習管理システム(LMS)の「Google Classroom」のような教育用サービスを充実させてきたこともあり、自然とG SuiteをはじめとするGoogleサービスを中心に、学習や教材配信のシステム構築を進めるようになりました。
メールサービス「Gmail」の存在も、G Suite導入に至った大きなきっかけの一つです。以前は校内で独自にメールサーバを運用していたのですが、添付ファイルの容量が急増し、ストレージを増設してもすぐにいっぱいになる状態でした。そこに教育機関であれば無償で使えるサービスがあると聞いて、Gmailを使い始めたわけです。教員は容量を気にすることなく、プリントや資料のデータをやりとりできています。
卒業生がIT環境を再評価
横山 関東一高は2014年に、タブレットや無線LANをはじめとするIT製品を本格的に導入し始めました。もともとは私自身がデバイスを使った授業に興味があって実践を始め、その後はとんとん拍子に話が進み、他の教員にも活用が広がりました。今では、一部のクラスでAppleのタブレット「iPad」を生徒に個別に貸し出している他、授業ごとに貸し出すためのiPadも40台整備しています。
2018年には、1年生の一部に自費でノート型デバイスの「Chromebook」を購入してもらい、授業で活用してもらうBYOD(私物デバイスの授業利用)形式の利用スタイルを始めました。Chromebook導入により、以前から使っていたG Suiteとの相性も、より良くなったと考えています。
安藤 佐日中等もChromebookを活用しています。クラウドの利用を前提としたChromebookの導入には、生徒に「クラウド慣れ」してもらう意図もあります。クラウドがITの中心的な配備方法になる中、クラウドの活用に慣れていないと、世界から取り残されてしまうのではないかと危惧しているからです。
―― そんな生徒が社会人になったら、企業の旧態依然としたIT環境に驚くかもしれませんね。
安藤 実は最近、卒業生から「高校時代は全然分からなかったけれど、実はすごく恵まれた環境だったんですね」というメールをもらいました。これは本当にうれしいことです。
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教育機関IT活用・セキュリティ座談会
先駆的なIT活用を進める教育機関は、どのような取り組みを進めているのか。ITの普及とともに重要性が高まるセキュリティの脅威には、どう対処しているのか。現場の教員とIT専門家との座談会から探る。
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