サーバ今昔物語【第1回】
「サーバが不安定になると自分も不安定になった」 安定稼働までの長い道のり(2/2 ページ)
IAサーバの可用性向上と大規模化――クラスタリングとSAN
インターネットや電子メールの普及もあり、ユーザーがコンピュータを利用する時間は増えていった。いつしかユーザー側は24時間利用を当たり前に求めるようになった。サーバは働き続け、それに伴ってデータ量も肥大化していった。そのため、サーバ単体では賄い切れない容量のHDDが必要になり、ストレージ筐体をサーバの外に接続することで、データ量の大規模化に対処した。
CPUのように、障害を起こしてしまうとサーバ全体が機能しなくなるコンポーネントのことをSPOF(単一障害点)という。企業の情報システム部門は24時間365日の安定稼働に向けて、SPOF対策を迫られる。これを解消する技術として登場したのがクラスタリングだ。
クラスタリングは英語のCluster(房)が語源であり、サクランボのように2台以上のサーバと共有ストレージをLANで接続した構成となっている(図2)。1台のサーバが障害を起こしても、もう1台が業務を引き継ぐ仕組みをソフトウェアで実行することで、24時間連続稼働を現実的な要件とした。
その後、ユーザーが必要とするストレージの容量がさらに拡大するにつれ、サーバとストレージを結ぶI/O(入出力)に制限が発生し、思うように拡張できない課題に直面する。
ストレージの進化
外部ストレージとの接続形式は、クラスタリング技術の登場当初はSCSI(Small Computer System Interface)が主流だった。一般的なUltra320 SCSI規格でいえば、最大転送速度320MB/秒、最大伝送距離12メートルで、接続できる機器は16台までと限られていた。
伝送速度と伝送距離に限界が見えていたSCSIに変わり、FC(ファイバーチャネル)が登場する。接続には光ファイバーを利用し、最大転送速度は2018年現在32Gbps、最大伝送距離は通常利用ではまず問題にならない10キロとなった。I/Oのパフォーマンスだけではなく接続に対する自由度も改善された。これに伴い、複数台のサーバ、統合型ストレージ、バックアップ装置をFCで接続するSAN(Storage Area Network)の時代に突入した(図3)。
SANのもたらした大きなメリットの一つに、バックアップの集約が挙げられる。
従来はサーバ1台当たりバックアップ装置1台が標準的で、サーバ台数が増えるとバックアップ装置が増え、その分、サーバ管理者の工数が増えてしまうという課題があった。SANの登場により、統合・集約された大型ストレージ1台で高速なバックアップの取得が可能となり、サーバ管理者のメンテナンス効率が一気に上がった。
企業のITインフラの安定稼働と大規模化をサポートしたクラスタリングやSANの技術にも課題がなかったわけではない。そこで発生した課題がブレードサーバ登場のきっかけとなる。
次回はサーバの集約が進んでいった流れを追い掛けてみよう。いよいよ登場するHCIと最新動向についても紹介する。
高橋拓也(たかはし・たくや)
横河レンタ・リース 事業統括本部 システム事業部 商品企画部長
1995年横河レンタ・リースに入社。入社以来20年以上にわたり、日本ヒューレット・パッカードのサーバ/ストレージ製品にシステム構築と保守とを組み合わせて、エンドユーザーおよびパートナーに販売するシステム事業の営業に関わる。2017年に30周年を迎えた横河レンタ・リースのコンセプト「『モノ』から『コト』へ」「『ハードウェア』から『ソフトウェア/サービス』へ」をテーマとしたITサービスの企画を担当。
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サーバ今昔物語
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