設定するなら使い始める前に
「Windows 10」のビジネス向け機能5選 “最後のWindows”の生かし方
「Windows 10」にはセキュリティ、生体認証、アシスタント機能などが標準搭載されている。うまく使えば大きなメリットを享受でき、知らずにいると思わぬ事故につながる可能性もある。要点を理解しておこう。
デスクトップの使いやすさを高める「Windows 10」
IT担当者の管理プロセスからエンドポイントのセキュリティまで、「Windows 10」には業務環境を向上させる数々の機能がある。
「Windows 7」など旧バージョンのWindows OSのサポート終了期限が迫っている。Windows 10を導入するIT担当者は、その重要な機能や使いやすさを向上させる方法を知っておく必要がある。Windows 10はセキュリティと利便性とモビリティーを重視しており、エンドユーザーとIT担当者両方の仕事を楽にしてくれる機能を豊富に備えている。
管理者による設定が必要な機能もあれば、自動的に動作する機能もある。IT担当者は最適なWindows 10端末を提供できるように、こうした機能とその利点をよく理解しておこう。
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「Windows 10」移行のポイント
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「Windows 10」についてもっと詳しく
Windows OSの移行はこれで最後になる
IT担当者にとってもエンドユーザーにとっても、古いOSから新しいOSへの移行は多くの問題を伴う。Microsoftはこうした厄介な手続きを終わりにするために、Windows 10を最後のバージョンにすると明言した。
これまでのWindows OSの移行では、ユーザーデータの移動や、互換性、ユーザーの順応、管理手順の変更などさまざまな問題があった。そのようなプロセスを必要とするバージョンアップをなくし、代わりにサービスとしてのWindowsを導入することで、こうした問題の発生はずっと小さな規模で済むようになる。
サービスとしてのWindowsには、機能更新プログラムと品質更新プログラムという2つのカテゴリーのアップデートがある。機能更新プログラムは年2回の大型アップデートで、新しい機能やツールを提供する。品質更新プログラムはより緊急性の高いパッチやバグ修正が含まれ、月に1回かそれ以上の頻度で提供する。Microsoftはこのアプローチに変えることで、新しいOSを数年おきにリリースする代わりに、Windows 10の機能とセキュリティを継続的に更新できるようになった。
サービスとしてのWindowsの導入により、IT担当者が更新プログラムの適用を延期したり無視したりする自由度は低くなった。以前のWindowsでは更新プログラムの適用を無限に延期できた。Windows 10ではそうした柔軟性はなくなり、どのデスクトップも完全に更新するかそれに近い状態にしなければならない。
より重要度の高いセキュリティ更新プログラムの適用は、機能更新プログラムの適用ほど長くは延期できなくなっている。
「Windows Hello for Business」による生体認証
Windows 10は、強固なユーザー認証機能を必要とする企業向けに「Windows Hello for Business」を提供する。
Windows Helloを使うと2要素認証機能を導入でき、対応するハードウェアがあれば指紋、虹彩、顔認識を利用した生体認証が可能だ。パスワードと生体要素を併用すると、弱いパスワードやフィッシングに起因するセキュリティ侵害のリスクを大幅に低減できる。生体情報は社内ネットワークには入力されず、暗号化してローカルデバイスに保存されるため、ハッカーはアクセスできない。
この機能を利用するには、Windows Hello for Businessの認証方式に対応するハードウェアがユーザーのデバイスに搭載されている必要がある。一般的なノートPCやPC用カメラでも虹彩スキャンに対応するものが増えており、指紋認証に対応するスキャナーを搭載したエンドポイントも多い。
一方、Windows Hello for Businessの顔認識を利用するには3D赤外線カメラが必要だ。この技術を搭載したエンドポイントデバイスはまだ多くない。経営幹部など重要な立場のユーザー向けには顔認識技術を導入する意義がありそうだが、一般の従業員には指紋や虹彩による認証で十分だろう。
ユーザーの質問に答えるデジタルアシスタント「Cortana」
デジタルアシスタントの「Cortana」は、ユーザーがWindows 10に順応するのを支援する。新しいアプリケーションやファイルの場所、デスクトップポリシー、古いツールに代わる新しいツールなどについてCortanaに質問することができる。
CortanaはWindows 10への移行を助け、見つけにくい場所にある機能を探すのに便利だ。さらに、数値計算と単位換算、リマインダーやスケジュールの設定もCortanaで可能だ。「Office 365」と統合すればCortanaの機能を拡張でき、「Outlook」の予定表などOfficeスイート機能とも連動させることができる。
Cortanaはもともとモバイルアシスタントとして開発されたが、Windows 10ではユーザーが自然言語での質問やコマンドを入力できる。Cortanaではデスクトップの設定やファイルとアプリケーションなどを探すことや、インターネットの検索、ローカルツールを使った簡単な機能の実行もできる。
音声コマンドも有効にできるが、他の人がいて雑音の入りやすい職場にはあまり適さない。Cortanaの検索バーでもデスクトップの検索や質問の回答に十分便利に使うことができる。
ただし、データのプライバシーの懸念がある。Cortanaはそれぞれのユーザーのニーズを予測してそれに応じた情報を提示するために、個人のデータを収集する。そのため、Cortanaを利用する代償として、ユーザーの検索履歴をMicrosoftに提供することになる。さらに、音声コマンドを有効にした場合は、コンピュータのマイクが拾うあらゆる音声も提供することになる。企業では、こうしたプライバシーの問題を考慮して、Cortanaを無効にすることも少なくない。
企業のセキュリティを強化する「Windows Defender」
Windows 10の「Windows Defender」の最新機能は、エンドユーザーの使いやすさを犠牲にすることなくセキュリティを強化する。
Windows Defenderは「Advanced Threat Protection」(ATP)などさまざまな機能でユーザーと社内ネットワークを保護する。Windows Defender ATPは、エンドポイントを包括的にモニタリングし、ファイルアクセスやブラウザ検索といったユーザーアクションの行動解析をして、疑わしい動きやセキュリティ侵害の可能性を検知する。
IT管理者はWindows Defender ATPポータルを使用して、1つのセントラルコンソールからエンドポイントをモニタリングできる。根本原因を分析して侵入地点を特定することも可能だ。
Windows Defenderの「Application Guard」という機能では、危険なブラウザセッションを仮想領域に分離し、セキュリティ侵害の影響が端末やネットワークに及ばないようにする。「System Center Configuration Manager」や「Microsoft Intune」を使うと、組織内の全ての端末でApplication Guardを実行できる。
Windows Defenderの「Exploit Guard」は「Enhanced Mitigation Experience Toolkit」の後継機能で、フォルダアクセスのモニタリングと制御によってアプリケーションとネットワークをマルウェアから保護する。アクセス権限を制限してマルウェアによる変更を防ぐところが、Windows Defenderの他の機能にはない特徴だ。他の機能は攻撃を防ぐことを目的とするが、Exploit Guardは侵害が発生した場合のダメージを防ぐ。
Windows 10のスタートメニューのカスタマイズ
Windows 10のスタートメニューは、Windows 7のスタートメニューの良さを復活させるとともに、ユーザー操作を簡単にする新機能も備えている。
「Windows 8」が企業にあまり採用されなかった理由はいろいろあるが、それまでのスタートメニューを廃止したことが不評を買ったのも一因だ。Windows 10で従来のスタートメニューが復活したことには驚かないが、これには新しく便利な機能も追加されている。
Windows 10のスタートメニューのショートカットはこれまでと同じく、画面下のタスクバーの左端にある。このスタートメニューにはWindows 8のモバイル向けメニューインタフェース要素も採用しており、アプリケーションサイドバーもその1つだ。ここは、素早くアクセスしたいアプリケーションを表示するようにカスタマイズできる。
スタートメニューではアプリケーションやツールが自動でアルファベット順に表示されるが、IT担当者はユーザー全員またはユーザーグループごとに統一したインタフェースを設定することができる。「グループポリシー」の設定でシンプルなXMLファイルを使って、組織全体のスタートメニューインタフェースを定義することが可能だ。
Cortanaを有効にしている場合は、スタートメニューを使う代わりにCortanaに質問を入力してファイルやツールやアプリケーションを呼び出すこともできる。Cortanaを無効にしている場合も、検索バーを使ってスタートメニューを補うことができる。
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