関東第一高等学校・横山北斗教諭の挑戦【前編】
東京大学にIT活用で合格した現役教員 受験に活用したアプリとは?(2/2 ページ)
「スタディサプリ」と「スタディプラス」が受験勉強のメイン
横山教諭が受験勉強を進める上で主に利用したのは、「インターネット予備校」をうたう、リクルートマーケティングパートナーズのオンライン動画学習サービス「スタディサプリ」(画像5)と、スタディプラスが提供する同名の学習管理サービス(画像6)の2つだ。同教諭は、教員の多忙な業務をこなしつつ、週50時間の受験勉強を目標に、平日3時間、週末は1日12時間の受験勉強を続けたという。
受験勉強の方法として横山教諭は、主にスタディサプリの動画を視聴し、同サービスに付随するテキストを解いて学習を進めたと語る。通勤の電車の中、または退勤後はカフェなどの勉強できるスペースに立ち寄って、いつでもどこでも学べるIT製品/サービスのメリットを生かして受験勉強に取り組んだ。
スタディサプリを選んだ理由について横山教諭は、レベルに応じた講義動画の充実度を挙げる。「全単元を網羅しつつ、教科書レベルからハイレベル、トップレベルの講義動画をそろえている上に、過去問題も用意するなど、受験を意識した構成を取っていること」を評価した。他社サービスも含めて比較検討したが「単元を網羅しているだけでレベル別の講義動画がなかったり、授業の補足としての活用を前提としていたりするサービスが多く、自分の目的にはスタディサプリが合っていた」と同教諭は語る。
学習管理サービスのスタディプラスを選んだ理由については、生徒から紹介されたことがきっかけだと横山教諭は述べる。「もともと学習管理サービスには興味がなかった」と明かす同教諭は、生徒からスタディプラスの存在を教えてもらい、2016年12月に使い始めた。「使ってみると意外と便利で、学習記録をグラフで可視化できることや、受け持ちの生徒と勉強時間を共有したり、励まし合ったりするなど、モチベーションの維持につながると感じた」(画像7、8、9)
中でも横山教諭と生徒に好評だったのは、スタディプラスのモバイルデバイス向けアプリケーションにある、ストップウォッチ機能だ(画像10)。教科や教材ごとに勉強時間を計ることが可能で、計った時間はそのままスタディプラスの勉強時間に記録される。「ストップウォッチが動いている間は『もう少しできるかな』『切りがいいところまでやろう』と頑張ることができた」と同教諭は語る。勉強を始める前にストップウォッチをオンにすることで「意識の面でも集中するスイッチが入り、オン/オフの切り替えに役立った」という。
自分が勉強した時間をスタディプラスに登録すると、そのタイムラインで公開される。横山教諭は「他の人の頑張っている姿を見ながら『自分ももっと頑張ろう』と思うことができた」と語り、生徒も同様の意見だったと説明する。
横山教諭はメインに活用していたスタディサプリとスタディプラスの他にも、文系科目を中心に、さまざまなアプリを用いて知識の定着などに取り組んだ(表)。受験生のときに理系だった同教諭は、これらのアプリを活用しながら文系での受験に初挑戦した。
| 名称 | ベンダー | 概要 |
|---|---|---|
| mikan 古典(iOS版。Android版は「mikan 古典単語」) | Yenom | 古文単語暗記アプリ |
| 日本史一問一答 | 学校ネット | 高校日本史・センター日本史の一問一答&演習問題 |
| あそんでまなべる 世界地図パズル | Digital Gene | ジグソーパズル感覚で覚える地図アプリ |
| あそんでまなべる 旧国名パズル | Digital Gene | ジグソーパズル感覚で覚える旧国名アプリ |
文系科目はゲーム感覚で学べるアプリも活用
当然のことだが、ITを活用したからといって、必ず東京大学に合格できるわけではない。横山教諭は東京大学農学部の出身であり、理系と文系の違いはあるものの、もともと基礎となる学力はあったともいえる。そもそも同教諭はITだけを使って受験勉強を進めたわけではなく、当然ながら紙の教科書を読んだり、過去問題を解いたりと、ITを使わない従来の学習にも取り組んできた。ただし限られた時間の中で受験勉強を進めていくためには、場所や時間を選ばずに学べる環境が有効であり、その手段としてITを活用していたという。
後編では、ITを活用した学習のメリットや課題について、横山教諭の話を引き続き紹介する。
執筆者紹介
神谷加代(かみや・かよ)
教育ITライター。「教育×IT」をキーワードに教育機関で進むタブレット導入事例やIT活用、子ども向けプログラミング教育、EdTech関連の話題などを、Webメディア、書籍、雑誌などで執筆。著書に『マインクラフトで身につく5つの力』(学研プラス)、『iPad教育活用 7つの秘訣』(共著、ウイネット)、『子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 「21世紀型スキル」で社会を生き抜く』(共著、インプレス)。
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関東第一高等学校・横山北斗教諭の挑戦
学校の授業にITは役立つのか。もし役立つとすれば、ITは授業や教員にどのような影響をもたらすのか。ITを活用した受験勉強で東京大学に合格した現役教員の話から、ITの可能性と、IT時代の授業の在り方を考える。
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