ドラッグアンドドロップでデータを可視化
TableauやPower BIに対抗 セルフサービスBI新顔GoodData、Periscope Dataとは
企業でセルフサービスBIの導入が進みつつある。しかし多くの場合、エンドユーザーが主体的にデータを分析し、分析結果を目に見える形にすることは相変わらず難しい。この課題にベンダーはどう取り組んでいるのか。
企業のデータ分析チームは、ビジネスユーザーが独力で簡単にデータを分析し、表示できるようにすることを目指している。こうしたニーズを満たすために、目に見える形でデータ分析する機能をBIに追加するベンダーが増えている。GoodDataとPeriscope Dataからリリースされた新しいソフトウェアがその一例だ。
GoodDataは同社の埋め込み型BIおよび分析プラットフォームと併用するための「GoodData Spectrum」というUI設計フレームワークを、2018年5月下旬にリリースした。GoodData SpectrumはJavaScriptライブラリを含み、BI開発者がデータ表示機能を組み込んだカスタムアプリケーションを構築できるようにする。アラート駆動型のダッシュボードの作成や、データアナリストが用意したデータセットをエンドユーザーが表示して探索できるようにする機能を搭載している。
同月にPeriscope Dataも新しい機能を公開した。
この機能を使うと、ビジネスユーザーは精選したデータセットを、データのモデル化と分析のためのプラットフォームで分析できる。静的なグラフやダッシュボードを確認するのではなく、ユーザーはドラッグアンドドロップインタフェースを備えたビジュアルクエリエディタを利用できるようになる。これにより、ユーザーはSQLコーディングを行うことなく独自にデータの表示を実現できる。
ビジュアルデータ分析は何年も前からトレンドになっているトピックだ。Tableau Softwareの「Tableau」、Qlikの「Qlik Sense」、Microsoftの「Power BI」のようなセルフサービスBIツールがこの先導役になっている。Gartnerは2018年2月にBIおよび分析プラットフォームに関するレポート「マジック・クアドラント」2018年版を発行した。その中では、最新BIおよび分析プラットフォームは持つ中核機能の1つとして、対話型のビジュアル探索が再び挙げられている。しかし業務でのBIソフトウェアの使用を広めること、そしてユーザー主導化を進めることは、多くの組織にとって相変わらず課題になる。
ビジュアルデータ探索での成長の余地
地元企業向けにロイヤリティープログラムを運用するFivestars Loyaltyには、Tableauユーザーが10人いる。これらのユーザーはデータアナリストで、Tableauを使用して「負担の重い分析」を行っていると、同社のサンフランシスコ支社で統括責任者を務めるマット・カール氏は述べる。データを表示してダッシュボードとして利用するツールとしては、Periscope Dataのプラットフォームの方が、ビジネスユーザーが習得するまでの時間は短かったという。
Fivestarsでデータのインフラと分析を管理するカール氏は、Periscope Dataの新機能を使うことに関しては「良い面」が多いと話す。今回追加した新機能はエンドユーザーによるビジュアルデータ探索と分析を拡大するものだ。試しに同氏はあるテーブルを構築した。そのテーブルには、Fivestarsプログラムの利用状況に関するデータがZIPコード別に保持されている。ビジネス部門の担当者は、調査したいさまざまなデータ要素をグラフのテンプレートにドラッグアンドドロップできる。
これにより、エンドユーザーは分析プロセスをより細かく制御できるようになる。これは重要なビジネス指標や企業戦略を追跡するために、カール氏のチームが以前構築したダッシュボードの制御の細かさを上回る。「見たいときに見たいものを確認できるようになる。SQLのテキストという壁に立ち向かう必要も、データアナリストに助けを求める必要もない」と同氏は語る。
Fivestarsでは、20近くのソースシステムから分析用データを収集しているTreasure Dataのリポジトリ上で、Periscope Dataのプラットフォームを運用している。カール氏はまだPeriscope Dataの新しいビジュアルデータ分析テクノロジーを試験導入して、評価している段階だ。とはいえ実際に同社のアプリケーションで使用することになると予想している。「早くからユーザーに気に入られている手応えがある」と同氏は述べる。
Periscope DataでCEOを務めるハリー・グレイサー氏によると、この新機能はビジネスユーザーに「ある種のミニTableau」を提供することを意図しているという。それによってデータ管理と分析チームが、厳選したデータセットを探索できるようにする。エンドユーザーによる分析と表示に関して、Periscope DataはLooker Data Sciencesの提供する「Looker」が最も近い立場の競合企業だと補足する。
データサイエンティストのためだけの仕事ではない
GoodData Spectrumのフレームワークも同じように設計されている。同社の埋め込み型BIソフトウェアのユーザーは、対話型ダッシュボードでビジュアル分析を臨機応変に実行できる。主要業績評価指標(KPI)を追跡することも可能だ。加えてGoodDataの「GoodData.UI」がある。これはFacebookが作成したオープンソースライブラリの「React」をベースにする新しいJavaScriptライブラリだ。GoodData.UIでは、開発者が数千のビジュアルコンポーネントにアクセスでき、これらのコンポーネントをアプリケーションに組み込むことができる。「D3.js」やその他のビジュアルライブラリを使用してカスタム表示を設計する機能もある。
米サンフランシスコに拠点を置くGoodDataは、SpectrumのUI設計機能を洗練させ、データに特別精通していないビジネス部門の従業員が同社のソフトウェアを広く使うようになることを望んでいる。「現在データサイエンティストはもちろん、シチズンデータサイエンティストになることさえ、誰もが適しているわけではない」
ユーザー企業のZalando SEは分析サービスに手を出したいと考えている。ドイツベルリンに本社を置くオンライン小売業者の同社は、約185社のメーカーと共に分析サービスをテストしている。Zalando SEは欧州15カ国で靴、衣類、美容製品を販売しており、同社の消費者インサイトサービスのWebポータルにGoodDataのソフトウェアを組み込んだ。ブランドマネジャー、マーケティング担当者、その他の外部ユーザー向けに、販売や顧客の購入行動に関するデータを目に見える形にするためだ。
初期のGoodDataのプラットフォームは、「ある程度の基本的な情報を非常に素早く目に見える形にする方法を提供するものだった」とZalando SEの消費者インサイトサービス部門で製品マネジャーを務めるコーディー・アルトン氏は言う。アルトン氏によると、同社は2018年初頭にβテスターとしてGoodData.UIを使い始めたという。このJavaScriptライブラリによって、さまざまな方法でデータを表示することがより簡単になった。同氏のチームにとってこれは重要な機能だった。同氏のチームではデータの表示をより興味深く対話型のものにすることを目指している。サービスのユーザーとの関わりを深めるためだ。
アルトン氏は次のように語る。「求めているのは、複雑なツールではない。少し面白そうな方法でデータを示すことだ。例えば150個の項目を一覧にして表示するのではなく、興味のある1つの数値を引き出すようなものになるだろう」そのようなツールにすることは、Zalando SEが分析サービスのコストに妥当性を示すのにも役立つ可能性がある。この分析サービスは、一部の基本的なKPIを追跡する無料サービスと、もっと幅広い一連の指標を使用した有料サービスという2つのバージョンで提供されることになる。
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