3大セルフサービスBI製品を比較する
「Tableau」「Power BI」「Qlik Sense」を比較 各製品の長所と短所は?
「Tableau」「Power BI」「Qlik Sense」はほぼ同等のセルフサービスBI機能を提供するが、いずれの製品にも長所と短所がある。コンサルタントのリック・シャーマン氏に話を聞いた。
セルフサービスBIソフトウェアを選ぶ際には、Tableau Softwareの「Tableau」とMicrosoftの「Power BI」、Qlikの「Qlik Sense」の3製品を比較することが多い。コンサルティング会社Athena IT Solutionsの創立者でマネージングパートナーのリック・シャーマン氏も、この3製品を主導的なセルフサービスBI製品に挙げる。
同氏は顧客企業にこの3製品を導入しており、Northeastern Universityの大学院工学研究科でこれらの製品の使い方を教えている。Tableau、Power BI、Qlik Sense(2014年から同社の主力製品になったが、旧製品の「QlikView」も継続提供している)は機能的にほぼ同等だが、それぞれに長所と短所があるという。一問一答形式で話を聞いた。
エキスパートに聞く
――TableauとPower BIとQlik Senseの特長についてうかがう前に、セルフサービスBI/分析ツールを選ぶ際にどのような機能を重視すればよいか教えてください。
シャーマン氏 第1に、ITの専門家の手をほとんどまたは全く借りずに分析を行えることが重要だ。第2に、さまざまなデータソースにアクセスでき、異なるソースのデータを統合できることだ。例えば、データベースやアプリケーションから取得したデータと、「Microsoft Excel」(以下、Excel)のデータを素早く1つにまとめたい場合に、セルフサービスBI製品は豊富な機能を提供している。第3に、データ視覚化とダッシュボードの機能だ。ツールによって、ダッシュボード機能があるものとないものや、限定的な視覚化機能しかないものがある。データをドリルダウンしてフィルターやスライサーや階層を適用する機能もある。こうした処理は、同じグループに属するユーザーでもそれぞれやり方が違っていた。BI用にExcelを使う人が多かったのは、以前はExcelでしかデータのフィルターとスライスができなかったからだ。今は大半のセルフサービスBIツールでできる。
――TableauとPower BIとQlikの機能は同じですか。
シャーマン氏 広い視点で見ればほぼ同じだが、各種データソースへの対応の方法に違いがある。3製品ともほぼあらゆるデータソースに対応しているが、Microsoftは他社よりメタデータの処理が得意だ。データの視覚化では依然としてTableauが一番だが、Qlik SenseとPower BIも追い付いてきている。フィルターと階層は3製品全てが提供している。3社とも大手だけあって、何が必要かをよく分かっているし、互いのよい部分を取り入れている。どれを選ぶかには、今何を使っているかということ、あるいは相性も影響する。「コカ・コーラとペプシ、どちらが好きか」というのと同じで、好みもあるだろう。
――では導入を検討する際に知っておきたい3製品の特長を教えてください。Tableauにはどのような長所と短所がありますか。
シャーマン氏 名前認識とデータ視覚化ではTableauが一番だ。使い方も簡単で、ビジネスユーザーが独力で始めやすい。短所はコストだ。1ユーザー当たりの月額料金は3製品の中で最も高い。また、「必要なことは全て自分でできる」デスクトップユーザーを、データ共有やダッシュボードとレポートの公開をサーバで行うように移行させることも課題の1つだ。もともとこの3社が市場シェアを獲得したのは、ITの専門家もセマンティックデータウェアハウスやデータガバナンスも必要ない、というのが売りだった。3社ともサーバ技術の集約にはやや時間を要したが、幅広いユーザー基盤を持つTableauは他社より早く課題に直面することになった。
――Power BIの長所と短所は何でしょう。
シャーマン氏 Power BIはコスト効率が非常に高い。「Power BI Pro」を使う必要がなければ無料で利用できる。Microsoftは更新プログラムを毎月提供している。さまざまデータソースも一番先にサポートする傾向にあり、Microsoft製品にのみ対応しようとはしていない。Power BIはExcelに詳しくなくても使える。Excelの知識があれば役には立つが、Excelユーザーを前提としているわけではない。とはいえ、Power BIはやはり、Excelや「Microsoft SQL Server」になじんだユーザーからの人気が高い。Power BIの導入は、Microsoft製品をよく使用している企業から始まっている。TableauやQlikと比べると、視覚化機能の数も質も及ばない。Microsoftはこの分野の拡充を進めており、企業ユーザーに必要な大半の機能はそろっているものの、高度なデータ視覚化機能ではまだ後れを取っている。
――Qlik Senseの長所と短所は何でしょう。
シャーマン氏 Qlik Senseは視覚化機能とデータソース対応が優れている。TableauとPower BIのほぼ中間的な位置付けだ。Qlikの「連想エンジン」も大きな強みで、データセットのテーブルや列をどう適用するかが分かりやすい。これはまだ他の2製品にはない機能だ。QlikがQlik Senseを発売した当初は「QlikView」との違いが分かりにくく、市場でなかなか地位を獲得できなかった。Qlik Sense自体、もう少し成熟が必要だったこともあり、進出に時間がかかった。データ統合とデータ準備も課題だ。データの準備にはかなりの変更作業が必要で、以前はQlikのスクリプティング言語を理解している必要があった。Qlikは改善を進めており、まだ多少の処理は必要だが、以前よりよくなっている。
――企業はTableauとPower BIとQlik Senseを比較して、そのどれかに統一しようとしているのでしょうか。 部署ごとにセルフサービスBIツールを購入できる状況では統一は不可能でしょうか。
シャーマン氏 社内で使うセルフサービスBIベンダーを1社にしたいという願望はあるだろう。しかし、TableauかQlik Senseのどちらか一方とPower BIが共存している企業は多い。TableauとQlik Senseならどちらかを選べるが、Power BIにはExcelとの連携という独自の価値があり、Excelの利用はなくならないからだ。
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