データ連携失敗の原因になる4つの不整合とは
BIデータの整合性を確保するのに役立つデータ連携のポイント
データ連携のプロセスを適切に管理していないと、BIや分析のアプリケーションで整合性に欠けるデータが生じる可能性がある。こうした問題を回避する手順を幾つか紹介しよう。
一般的にはデータ品質の重要な要素として、正確性、完全性、適時性、整合性がある。データの整合性とは、実際には何を意味するのだろうか。データ管理のチームは整合性によってどのような影響を受けるだろうか。複数のアプリケーションでデータの整合性を確保するために利用できるデータ連携手法には、どのような種類があるだろうか。
データの整合性が必要になるのは、ある状況が前提にあるためだ。それはBIや分析に利用する複数のアプリケーションが、同じソースのデータセットをさまざまな方法で頻繁に使用するような状況だ。毎日の売買取引を表すデータがあるとする。業務報告をするときは、複数ある販売地域での類似製品の販売数を比較するために、このデータを使用する。高度な分析アプリケーションでは、顧客が購入した商品の種類に基づいて、顧客プロファイルを作成するためにこのデータを使用することもある。
この2種類のアプリケーションに同じ売買取引データが使用されている。一方で、このデータを抽出、変換、再編成、送信するプロセスは、それぞれのアプリケーションで違う。こうしたプロセスでは、少なくとも4つの異なる形式のデータ不整合がもたらされるリスクがある。
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データの連携に失敗する理由
異なるタイミングでソースシステムからデータを抽出すると、「経時的な不整合」が生じる可能性がある。つまり、あるタイミングで行われたデータ抽出の後に修正が加えられ、次のタイミングでの抽出にその修正が含まれる可能性がある。
データ連携プロセス中にデータ値に異なる形式が指定されると、「構造的な不整合」が生じる。例えば、誤って別の型を想定して郵便番号を抽出したため、0から始まる郵便番号が4桁の数値に変換されてしまう場合などがこれに当たる。
複数のアプリケーションが、データをそれぞれ異なる意味で解釈すると、「意味的な不整合」が生じる。例えば、「顧客」という言葉は、データの発生元がマーケティングシステム、営業システム、顧客サポートシステムのいずれかによって異なる定義になる可能性がある。
データ連携のジョブが同一のソースデータに異なる変換を適用すると、「変換の不整合」が発生する。各ジョブが個別のビジネスルールに基づき、条件に応じて属性値を変更する場合がこれに当たる。
多くの場合、こうした不整合がデータを扱うアプリケーションに紛れ込むのは、アプリケーションの開発者とデータ連携の開発者の連携が不足しているためだ。連携不足は、データ管理のベストプラクティスが共有されていない可能性があることを示す。ビジネスの運営がサイロ化した状態では、部門間のコミュニケーションがほとんどなく、各部門が孤立した状態でデータ連携プロセスが開発される。
最初の手順として、企業全体で使用している既存のデータ連携手法とベストプラクティスを文書にする。そしてどのようなアプリケーションが、いつ、どのような状況でデータソースにアクセスしているかを特定する。この方法で、データ管理者はさまざまな連携の流れを調査して、データの不整合につながる可能性のある明確な齟齬(そご)があるかどうか見極めることができる。
システム構築のプロセスを制御する
データの整合性を確保する次の手順として、不整合が生じるのを防ぐ制御が必要になる。そのためには、まとまりのないデータ連携シーケンスの影響に対処するポリシーと手続きを設定する。この手順を実現し、前述の4種類のデータ不整合を回避する新しい連携方法についてのヒントを幾つか紹介する。
- データ連携の流れを同期する。運用システムや取引システムが非同期の状態でデータ抽出していることが「経時的な不整合」の原因になっている場合は、連携のさまざまな流れを開始する同期トリガーを作成する。このアプローチにより、計画的な抽出とデータのストリーミング処理を実現できる。計画的なストリーミング処理は、データをキャッシュして全ての連携ジョブに同時にリリースすることで可能になる。
- データ値のフォーマットを標準化する。データフォーマットのストレージやプレゼンテーションの標準を設定する目的は、個別に作業するアプリケーション開発者が違いを生み出すのを減らすことだ。データの担当者は、定義済みのフォーマット標準にデータ値が対応しているかどうかを検証する全社規模のサービスを作成することで、「構造的な不整合」を減らすことができる。
- データの定義を合わせる。データの定義にばらつきがある(そもそも定義が存在しない)場合、データのユーザーは、データセットに独自の意味を与えてもよいと考える。社内で協力して異なるデータ定義を特定、確認し、すり合わせることで、「意味的な不整合」を減らすことができる。
- データの変換を調整する。多くのデータ連携ジョブは定義済みのビジネスルールに従って実行される。データ管理者が異なるビジネスルールを確認することで、整合性のない変換が適用される状況を特定しやすくなる。整合性のない変換が適用される状況では、結果が整合性を保つように調整するか、データの不整合を認識するために、出力を個別に指定するよう制限を設ける。
データの標準化、データの検証、適切なデータ管理のベストプラクティス、しっかりと計画された連携手法を組み合わせることで、連携プロセスに求められる規律と整合性がもたらされるだろう。
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