Skype用の新サーバでサポート延長も
ハイブリッド版「Skype for Business」を開発? Microsoft Teams移行促進で動き
Microsoftは、クラウドベースのIPコミュニケーションソフトウェアに移行する足掛かりとなる、クラウドとオンプレミス環境両方で利用できるビジネス向けSkypeの開発を進めている。
Microsoftは、ユーザーが「Microsoft Azure」のクラウドとオンプレミス環境の両方で利用できるハイブリッド版の「Skype for Business」を開発している。この動きは、ユーザーがクラウドベースのIPコミュニケーションの利点を享受するための取り組みをMicrosoftが十分にできていないという企業側の不満を反映している。
Microsoftが主催するカンファレンス「Microsoft Ignite 2018」におけるインタビューで、「Microsoftは間もなくSkype for Businessのハイブリッド版をリリースする」と、「Office 365」コラボレーションツールの責任者を務めるロリ・ライト氏は語った。
「Skype for Businessの一部をオンプレミスに残し、その他の部分をクラウドに移行したいと考えるユーザーがいる。その対応策を現在検討している」(ライト氏)
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Skype for Businessに対するユーザー企業の不満
「Skype for Businessにクラウドへの明確な移行パスがないことは問題だ」と、Skype for Businessを導入している企業のIT管理者がMicrosoft Ignite 2018で不満を述べた。だがハイブリッド版のSkype for Businessならこの問題は解消されるだろう。
ユーザーはOffice 365のチームコラボレーションツール「Microsoft Teams」とクラウド上で提供する「Skype for Business Online」のクライアントを並べて実行することができる。しかしオンプレミスのSkype for Businessには、このようなMicrosoft Teamsとの相互運用性がない。Skype for BusinessとMicrosoft Teamsの両クライアント間における相互運用性は、従業員のIDがクラウドサービスのOffice 365に格納されている環境だけに限定されている。
保険会社のGreat American Insurance Groupは、グループ内に約1万人のSkype for Businessのユーザーを抱えている。同社でシステム管理者を務めるアンディ・ブッシュ氏は「クラウド移行に向けた足掛かりとしてMicrosoft TeamsとSkype for Businessとの相互運用性が必要だ」と語る。
Microsoft TeamsとSkype for Businessの相互運用性がないため、Great American Insurance Groupはクラウド移行のステップとして電子メールと文書用のストレージをまず移行することを優先した。ブッシュ氏は「Microsoftがクラウド移行のよりよいプラットフォームを提供するまで、Microsoft Teamsの導入についてはクラウド移行リストの最下位に置く」と語る。
Microsoft Teamsに欠けている通話機能
Skype for Businessを自社のデータセンターで運用する企業の大半は、Microsoft Teamsへの移行に関して初期の検討段階にある。こうした企業は、Microsoft Teamsが通話機能とセキュリティの要件を満たせるかどうか確信できていない。
グローバルコンサルティング会社のKPMGでドイツ国内のIT分野を担当しているジュリアン・アディソン氏は、「Microsoftは、現時点でSkype for BusinessとMicrosoft Teamsが機能面で同じ水準にあると言っている。しかしこの点は注意深く見る必要がある。それにセキュリティ面も非常に重要だ」と指摘する。
Microsoftは2017年に、Skype for Business Onlineを最終的にはMicrosoft Teamsに置き換えると発表した。Microsoftはこれにより、クラウドベースのSkype for Business Onlineで利用できる全ての中核機能をMicrosoft Teamsに移行するとユーザーに約束した。
ただし、オンプレミスのSkype for BusinessにはクラウドベースのSkype for Business Onlineには含まれていない高度な機能がある。Microsoft Teamsではまだその機能が利用できない。コンタクトセンターで顧客との応対にSkype for Businessを使っている企業にとってこれは特に重要な問題だ。
コンサルティングサービスと安全認証サービスを提供するUnderwriters Laboratoriesは、当面はオンプレミスのSkype for Businessを使用する計画だ。「さまざまな時間帯の着信を別の事業所に転送できる、コンタクトセンターで必要になる高度な機能がMicrosoft Teamsでは利用できないことが理由だ」と、同社でITマネジャーを務めるサンディ・グレーズブルック氏は説明する。
「Underwriters Laboratoriesでは、IPコミュニケーションがクラウドベースになった場合の音声通話とビデオ会議の品質についても懸念している」と、グレーズブルック氏は語る。
Microsoftは、オンプレミスのSkype for Businessのサポートを少なくとも2023年まで延長するための新しいサーバの発表を計画している。Microsoftによれば、現行の「Skype for Business Server 2019」は、クラウド移行の準備ができていない大企業向けを前提に開発した。
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