分析やセキュリティ対策に貢献
VMware、Citrixが採用するAI技術 VDI管理は“AIOps”でどこまで変わる?
AI技術を用いたツールを使えば、IT担当者はVDIの管理を効率化できる。こうしたVDI管理ツールには、リソース要件を正確に見積もる機能や、問題の根本原因を分析する機能が備わっている。
IT運用にAI(人工知能)技術や機械学習を活用する動きが広がる中で、これらの技術がVDI(仮想デスクトップインフラ)にも導入され始めているのは当然のことだ。
AI(人工知能)技術や機械学習により、IT担当者はセキュリティ対策やリソースの有効利用、キャパシティープランニング、ストレージ管理など、VDIに関連するさまざまな運用を改善できる。大規模あるいは複雑な環境ではなおのことそうだ。企業がVDIの管理にAI技術を用いることが定着するまでには、まだ時間がかかるだろう。とはいえVDIベンダーは、AI技術や機械学習の機能をソフトウェアに取り入れ、企業が運用できるようにしている。
AI技術および機械学習の活用が本格化することで、VDIの管理は近い将来大きな変革を遂げる可能性がある。
AI技術でIT運用を変えるAIOps
企業がAI技術を活用する流れの中で、「AIOps」(IT運用のためのAI)という方法論が生まれた。これはビッグデータアナリティクスや機械学習、その他のAI技術を取り入れ、IT運用を効率化する手法だ。
AIOpsは、ワークロードをコンピュート、ネットワーク、ストレージのリソースに適切にマッピングするとともに、それらのリソースを自動的にスケーリングするための予測インテリジェンスを提供する。これによりIT運用におけるキャパシティープランニングやリソース割り当ての業務効率化を支援する。またセキュリティの脅威や、サービス中断、ストレージ障害といった問題を正確に検知し、IT担当者が迅速に対処することを可能にする他、定型業務を自動化する。
AIOpsは、VDI管理においてIT管理者が抱えている苦労を軽減することにも役立つ。「Citrix Virtual Desktops」や「VMware Horizon」のようなVDI製品には、VDI環境を管理するための独自ツールが少なくない。しかし異なるシステム同士を接続するのは難しい場合がある。分野ごとにIT運用する担当者の責任を個々に割り振っているサイロ化した組織では、これは特に問題になる。
例えば、あるグループがVDIサーバを、別のグループがストレージを管理している組織がある。この場合、AIOpsのプログラムを用いてVDIサーバとストレージのシステム間でイベントを相関させることで、問題解決を迅速化したり、ユーザーが作業を中断する時間を減らしたりできる。
AI技術がVDIの管理で役に立つ
AI技術がVDIに使用されることが増えるに連れ、VDIの管理に関してさまざまなコンポーネントを扱うソフトウェアが登場してきた。例えばAIOpsのプラットフォーム「Moogsoft AIOps」は、VDI環境内外のイベントを相関させ、アプリケーション、ネットワーク、システムログ、オーケストレーションツールといったソースからデータを収集する。Moogsoft AIOpsはさまざまなソースからデータを収集することで、関連するシステムのどこに問題があってもそれを発見し、IT担当者が対処できるようにする。
CitrixはAI技術や機械学習の機能を「Citrix Analytics」に、VMwareも同様の機能を「VMware Workspace ONE Intelligence」に組み込んでいる。
Citrix AnalyticsはCitrix Virtual Desktops、「Virtual Apps」「Citrix Endpoint Management」「Citrix Content Collaboration」といった一連の同社製品において、ユーザー、デバイス、アプリケーションの挙動をモニタリングする機能を持つ。これらのシステムから収集したデータを使い、高度な機械学習アルゴリズムを適用することで挙動を分析し、組織内外の潜在的な脅威を特定する。
VMware Workspace ONE Intelligenceは、デバイスとアプリケーションのデータを集約し、分析し、相関させ、これによりデジタルワークスペース「VMware Workspace ONE」全体に渡る深い洞察を提供する。またAI技術と機械学習を使って、企業がデータに基づく意思決定ができるようアドバイスや予測を提供する。使用する環境全体にわたるワークフローの自動化もできる。
VDI環境の外部にあるシステムもAI技術と機械学習の恩恵を受ける。例えば「CylancePROTECT」は、AI技術を使って仮想マシン(VM)やその他のエンドポイントをマルウェア感染から保護する機能を持っている。
Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、AI技術を使ったレコメンデーションエンジンを搭載する「HPE InfoSight」を出した。HPE InfoSightを使うことで、IT担当者はHPEのフラッシュストレージ「3PAR」の管理を改善できる。例えば問題のあるパフォーマンスを改善したり、ストレージと仮想マシンの間で発生した問題の根本的な原因を解明したりすることができる。
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