管理方法を中心に解説
Chrome、Firefox、IE、Edgeを比較 ビジネス利用の視点で見ると?
主なWebブラウザであるGoogle Chrome、Mozilla Firefox、Internet Explorer、Microsoft Edgeについて、それぞれの管理方法や機能を紹介する。
「Google Chrome」「Mozilla Firefox」「Internet Explorer」(IE)、「Microsoft Edge」のいずれを選んだとしても、Webブラウザ以上に使うことの多いアプリケーションはほぼ存在しない。
IT専門家から見れば、各デスクトップ用Webブラウザは異なる特徴を持っている。例えばFirefoxはオープンソースで、ユーザーや開発者がソースコードに手を加えることができる。2018年11月時点ではChromeがWebブラウザ市場を独占している。Web関連技術の利用状況を調査するWebサイト「NetMarketShare」によると、2018年10月の利用率においてChromeは63%、IEは11%、Firefoxは10%、Edgeは4%だった。
Webブラウザはエンドユーザーの使用機会が多いことから、それぞれの管理機能やセキュリティなどについてIT担当者が理解しておくことは重要だ。
Chrome Enterpriseは一括管理が可能
「Google Chrome Enterprise」は、Windows、macOS、LinuxなどのOSを搭載した端末で使用できる。IT担当者はグループポリシーを用いてChrome Enterpriseを管理できるが、そのためにはアップデート確認プログラム「Google Update」を経由させる必要がある。
クラウド型グループウェア「G Suite」の管理画面からでもChromeを管理できる。クラウド型のシステムを利用することで、IT部門はアカウント別にユーザー設定を管理できる。さらにユーザーがいつ、どんなデバイスからサインインしても、IT部門が設定したポリシーをユーザーに適用可能だ。
GoogleはWindows管理者の負担を軽減する目的で、Chrome EnterpriseのWindows用インストーラーを用意している。この中にはChrome Enterpriseの管理に必要なファイルが含まれる。Windows、macOS、Linuxの3種類のOSでポリシーの作成と適用が簡単にできるよう、技術者向けのテンプレートも提供している。このポリシーは、Googleのサービスを管理するためのアカウント「Google アカウント」の範囲内でどのユーザーにも適用できる。具体的には、IT部門によるアプリのブラックリスト登録、セキュリティルールの設定、Chrome Enterpriseの自動更新などが実行できる。
セキュリティ対策としては、Chrome Enterpriseに搭載された「サイト分離」がある。これはChromeの各インスタンスをサンドボックス化して、悪質なWebページが他のWebページに害を及ぼすことを防ぐ機能だ。加えて「従来のブラウザのサポート」(LBS)拡張機能では、Chromeに対応していないリンクやアプリを自動的にIEのウィンドウで開くことができる。
Mozilla Firefoxはプライバシー重視
Mozillaが2017年11月にリリースしたFirefoxのバージョン「Firefox Quantum」にはポリシーエンジンが搭載されている。これを使うと、Windows、macOS、Linux端末にFirefoxをインストールする前に、IT部門でWebブラウザの設定を変更できる。例えばWebブラウザのデフォルトプロキシを指定したり、どのアドオン(拡張機能)やブックマークを導入するか、どの機能を無効にするかなどを決定したりすることが可能だ。
LinuxとmacOSでは、JSON(JavaScript Object Notation)形式の設定ファイルや「Autoconfig」機能を使ってFirefoxに変更を加えられる。JSONファイルは複数のOSで利用できる。さらにWindowsでは、グループポリシーやアクティブディレクトリを使ってポリシーを確立できる。
Chrome、IE、Edgeはいずれもターゲット広告の配信などの理由でユーザーの行動を追跡するが、Firefoxはそうではない。「コンテンツブロッキング」(旧:トラッキング防止)機能をオンにすれば、サイトを横断してユーザーを追跡するWebブラウザのスクリプトを無効にすることも可能だ。追跡スクリプトを無効にすることで、ページ読み込みの速度が改善される。
Firefoxには2つの更新チャンネルがある。メジャーアップデートが「ラピッドリリース版」では6週間ごとに、「延長サポート版」(ESR)では42週間ごとに配信される。いずれもリリースとリリースの間にマイナーなセキュリティアップデートがある。ESRでは他にもアプリの更新を無効にする機能や、拡張機能の管理などが利用できる。
Microsoft EdgeとIEの共存
Microsoft Edgeは、Windows 10のリリースに伴い、IEに代わってデフォルトのWebブラウザとなった。市場シェアは2018年11月時点でもIEの方がEdgeを上回っているが、Windows 10の採用が増えれば、この状況も変わるかもしれない。
EdgeはWindows 10以外のバージョンのWindowsや非Windows OSでは利用できない。一方で特定のChromeおよびFirefoxの拡張機能が使える。
IEでしか動かないレガシーアプリやWebサイトを使い続けているユーザーも一定数いる。IE用の拡張機能「ActiveX コントロール」や、互換表示を指定するパラメーター「X-UA-Compatible」、IEの機能をコントロールするための「Browser Helper Objects」(BHO)などを使ったサイトやアプリは、Edgeで正常に動作しない。この問題に対してMicrosoftは「エンタープライズモード」を設け、自動的にIE 11で開くべきサイトやアプリを、IT部門やユーザーが指定できるようにした。利用例としては、組織のイントラネットサイトを強制的にIEで開かせるなどが挙げられる。
Webブラウザ比較におけるEdgeの最大の強みは、Windows 10との連携性だ。IT担当者はグループポリシーを使ってEdgeを直接的に管理できるだけでなく、Edgeの更新をIT管理者が選んだWindowsの更新ペースに合わせられる。Edgeをデジタルアシスタントの「Cortana」との連携も可能だ。
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