新機能追加で逆転なるか
Office 365 vs. G Suiteの息が詰まる戦い 劣勢Googleの秘策は?
Googleのクラウドオフィススイート「G Suite」はアップデートを続けている。2019年の年明けにも管理者とエンドユーザー向けにそれぞれ新機能を追加した。しかし市場をリードするのはMicrosoftの「Office 365」だ。
2019年もこれまでと同じ傾向が続けば、Googleのクラウドオフィススイート「G Suite」がMicrosoft「Office 365」の成長に追い付くのは厳しいと、専門家は予測している。
しかしGoogleはG Suiteを、中・大規模企業にとってさらに魅力的なサービスにしようと機能強化を進めている。2019年の年明け早々にも新機能を追加した。
ビジネス向けG Suiteの最新のアップデートでは、管理者向けにセキュリティアラート機能や新しい自動プロビジョニング機能が強化された。エンドユーザー向けにはインタフェースの強化に加え、「Google スプレッドシート」で作成したグラフに固有の色を割り当てる機能などが追加された。
2018年12月に開始したベータプログラムでは、Googleアカウントを持たないユーザーもG Suiteに保存したドキュメントやスプレッドシート、プレゼンテーションを編集できるようになった。その場合のファイルアクセスには、ドキュメントの所有者が発行するPINコードを使用する。所有者はそのアクセス許可をいつでも取り消すことができる。
こうした一連のアップデートは、Office 365からG Suiteへの乗り換えの促進を目的としている。
G Suite vs Office 365 ビジネスに向いているのはどっち?
ソフトウェアとロジスティクスを扱う従業員85人の会社Platinum IPは、4年ほど前、創業してまだ間もないときにOffice 365からビジネス向けG Suiteに乗り換えた。同社経営者のスコット・クリストマン氏は、G Suiteの方がOffice 365より高速で信頼性が高いと判断した。
Platinum IPが乗り換えを決める「最大の理由」になったのは、GoogleのオープンAPIを使って、GoogleマップをはじめとするG Suiteサービスの使い方をカスタマイズできる点だ。一方のOffice 365は拡張性に欠けるシステムとして知られている。
クリストマン氏は「Office 365アプリを使わなければならない場面もある。『Microsoft Excel』にはGoogleスプレッドシートより使いやすい機能もある。だがそうした機能はあまり使わないし、ユーザーの99%は知らないだろう」と語る。
Googleはリリース当初、クラウドコラボレーション技術の主導者だったが、2014年にMicrosoftがOffice 365に本腰を入れ始めて状況は変わったと、Forrester Researchでアナリストを務めるTJ・キット氏は説明する。
この1、2年でOffice 365からGoogleに乗り換えた企業にはVerizon、Nielsen Holdings PLC、Colgate-Palmoliveのような大口の顧客もいる。しかし最近のデータによると、ビジネス向けG Suiteの成長は頭打ちになっており、Office 365の採用が増えているという。
「Microsoftが大きくリードしていることは明らかだ。一方でGoogleもこの分野に投資しており、顧客の獲得やクラウドオフィススイートへの取り組みに力を入れている」
クラウドセキュリティ会社のBitglassが2018年に世界の企業13万5000社を対象として実施した調査によると、G Suiteを使用している企業は24.8%で、2016年の24.9%からわずかに減少した。これに対し、Office 365を使用している企業は34.3%から56.3%に増加した。
Gartnerが公開会社を対象に実施した調査によると、Microsoftのクラウドメールサービスの利用はGoogleの約2倍の増加率を示している。2016年以降の調査期間平均増加率はMicrosoftが2%、Googleが0.8%だという。調査では、Microsoftのクラウドメールを利用している企業は14.4%、Googleのクラウドメールを利用している企業は9.4%ということも判明した。
Gartnerアナリストのジェフリー・マン氏は、現在もビジネス向けG SuiteがGoogleの重要プロジェクトであることは明白だと指摘し「Googleは投資と新機能の追加を続けている。G Suiteの重要性は増している」と話す。
Googleは2018年、チームコラボレーションとビデオ会議のアプリ「Hangouts Chat」をリリースしており、クラウドPBX(構内交換機)システムの開発も始めた。Googleはこうした取り組みでMicrosoftの「Skype for Business」や「Microsoft Teams」に猛追を仕掛けている。
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