クラウドの普及で追い風が吹いているが
なじみ深い「Office 365」――後れを取る「G Suite」に待ち受ける2つの課題
Googleのビジネスコラボレーションスイート「G Suite」には多くのアプリケーションが含まれている。だがMicrosoftの「Office 365」と比べると後れを取っているという。
Googleはビジネスコラボレーションツール市場でMicrosoftに大きく後れを取っている。Microsoftは何十年も先行しているのに加え、同市場は基本的にクライアントPCが中心だ。だが近年のクラウドの普及拡大はGoogleにとって追い風となっている。
この状況はMicrosoftに方向転換を促した。同社は「Office 365」でクラウドに進出するとともに、クラウドの世界からやってきたSlack TechnologiesやFacebookなどの強敵に対抗した。この市場は新たなプレーヤーの参入で細分化が進んでいる。ビジネスコラボレーションツール自体が流動的な性質を持っていることも市場の細分化につながっている。
Office 365とGoogleのビジネスコラボレーションスイート「G Suite」を見比べると、2つの基本的な比較ポイントが浮かび上がる。
両方のツールを同じ条件で比較するのは難しい。Office 365は成熟度が高いビジネスコラボレーションスイートであり、標準ともいえる存在となっている。企業の従業員がOffice 365を使い続けている主な理由は、彼らにとってなじみ深い製品であること、そして広範に普及していることだ。
ユーザーは、クライアント環境に慣れており、「Microsoft Word」や「Microsoft Excel」などの「Officeアプリケーション」を使って仕事をする方法を知っている。この現状を覆すのは容易ではない。しかも、G Suiteに含まれる「Gmail」「Google ドキュメント」「Google スプレッドシート」「Google スライド」などのアプリケーションは、Officeアプリケーションに似た機能を持つが同じではない。ユーザーが他のツールを乗り換えるには十分な理由が必要だ。その中でコストは乗り換えの1つの理由になり、Googleは特に企業を対象にコスト面の優位性を積極的にアピールしている。
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ビジネスコラボレーションツールの現状
企業はクライアント環境に最適化されている。IT部門は、Microsoftのツールを標準とする環境をサポートするノウハウを蓄積してきた。従業員がOffice 365を使いこなすのを支援する下記の項目を考えればクラウドベースのGoogleはITのエコシステムの一部になっていない。これこそが、G Suiteが企業への進出を十分に果たせないでいる最大の理由だ。
- ヘルプデスク
- クライアントPCの問題に対処する技術サポート
- アップグレード
- 新しいアプリケーションとの連係
加えてITエコシステムにおいては、データの支配権もビジネスコラボレーションツールの重要な比較ポイントだ。オンプレミスベースのOfficeはデータの支配権を確保できるのに対し、G Suiteはクラウドにあるので同じようにはいかない。データの支配権の欠如は、金融業界や医療業界など、厳しい法規制が提供される業界で問題となる。
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