2018年から2019年へ
自動運転、音声アシスタント他 あらためて知りたいAIの5大トレンド(2/2 ページ)
常軌を逸したAI投資
この数年AIに関心を向ける投資家が増えている。2018年にはそれと同程度にベンチャーキャピタルがAI企業に熱中し、痛みを伴うほど多額の投資を多くの企業に行った。こうした状況はAIでは最も重要なトレンドの1つになっている。米国ではAI企業が数十億ドルを調達し、Dataminr、Cylance、Pony.ai、Automation Anywhereなどの企業があっという間にいわゆるベンチャーユニコーン企業になった。いずれの企業にも10億ドル以上の評価額が付けられている。ただ、米国のベンチャーキャピタル市場はいつもバブルのようなものだ。その一方で、実は米国のベンチャーキャピタルによるAI投資は中国の投資に追い抜かされており、そのことがAI分野への関心を高めている。中国のAI企業は信じられないほど巨額の投資額をかき集めている。SenseTime、YITU, ByteDanceのような企業各社はそれぞれ数十億ドルを調達している。その調達源の大半が中国政府だ。明らかに、投資家も政府も大きな戦略的機会があると考え、AI関連のスタートアップ企業に資金を投じている。
反対に、2018年のAIロボティクス分野では数社の企業倒産も目にした。AIの先導者として有名なロドニー・ブルックス氏が率いるRethink Roboticsは、必要な資本を調達できずに廃業に追い込まれた。同様に、Mayfield RoboticsとJiboの両社は、提供するサービスの顧客需要を見つけられず、2018年に幕を下ろした。AIスタートアップ企業にはお金の方から寄ってくるようだが、ロボティクス企業がすぐに手に入れられる資金はない。2019年にAI関連企業に対するベンチャー投資の風向きがどうなるか、見守る必要があるだろう。
政府のAI計画が戦略的に
1年以上前に、中国は2030年までにAI分野で世界的リーダーになるという目標を大まかに示した3段階構成のプログラムについて詳しく発表した。2018年にその構想から明らかになったのは、中国がAIを競争的かつ戦略的な責務として捉えていることだ。米国も戦略的AI計画を強化しており、米国国防総省はAI関連の取り組みに20億ドルを投資する計画を明らかにしている。一方、欧州各国もAI戦略において大きな賭けに出ている。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は2018年にAIの国家戦略を公表した。2018~2022年にわたって15億ユーロ(約17億ドル)以上をAI関連研究に投じる計画だ。ドイツは国内南部にCyber Valleyを作るという声明を出した。これは新しいテクノロジーハブ地域で、研究者とAIに力を入れる企業が協力する新たな機会を生み出すことが期待されている。アラブ首長国連邦や韓国も大規模なAI戦略を発表している。2018年は国家レベルでのAI戦略の年になった。
企業で広がり続けるAIの導入
だが当然ながら、2018年最大のニュースは、AI、機械学習、認識テクノロジーが業界やユースケースの範囲を超え、企業で幅広くその勢いを増し続けたことだ。2018年には顧客サービスでチャットbotが普及し、AI対応のITセルフサービス管理が成熟した。また、予測分析企業にとっても大きな年だった。こうした企業は機械学習を導入し、AIを力の源にする分析企業に転身した。自然言語処理においても前進を見せ、大量の非構造化データに対するより高い可視性が企業にもたらされるようになった。
AI対応のマーケティングもAIにおける2018年最大のトレンドの1つだ。ハイパーパーソナライズという考え方が勢いを増し、企業はマーケティング分野における拡張知能(Augmented Intelligence)のメリットを実感している。また企業は、AIを原動力とするモノのインターネットやエッジデバイスから、機械学習ベースのコンテンツインテリジェンスシステムまで、幅広いユースケースでAIや認識テクノロジーを利用している。2018年には小売業者もAIの流行に乗り、主要AI対応コマースシステムが稼働するようになるだろう。中でも、Amazonは今後数年で「Amazon Go」ストアを3000店舗以上出店する計画を立てている。
2018年にはAIがその強さを見せ続けた。2019年を迎えても衰える気配は全く見えない。AIを原動力とする2019年が楽しみだ。さらに大きなニュースやトレンドが舞い込む兆しは見えている。
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