生体認証普及の道筋が整う
10億台のAndroid端末が「パスワードのない世界」へ FIDO2取得でログインはどうなる?
FIDO Allianceは、Android 7以降の全デバイスがFIDO2認定を取得したと発表した。これにより、パスワードの代わりに生体認証を使ってWebサイトやアプリへのログインを実現できるようになる。
Androidはバージョン7.0(Nougat)以降でFIDO2認定を取得し、パスワードのいらない世界に向かって第一歩を踏み出した。
認証関連の業界団体FIDO Allianceは、Androidバージョン7.0以降がFIDO2認定を取得したことを発表した。これにより、端末の指紋センサーやFIDO対応セキュリティキーを使ってWebサイトやアプリにログインすることが可能になる。対象となるのは全Android端末の50%程度だが、それでもその台数は10億台以上に上る。
FIDO Allianceはプレスリリースで次のように述べた。「Webやアプリの開発者は、シンプルなAPI呼び出しでAndroid用のアプリやWebサイトに強力なFIDO認証を追加できるようになった。これにより、急速に増加しているエンドユーザーの対象Android端末と将来アップグレードする新しい端末に、パスワードのいらないフィッシング防御策を提供できる」
FIDO2は、World Wide Web Consortiumが開発した「Web Authentication(WebAuthn) API」仕様と、FIDO Allianceが開発した「Client to Authenticator Protocol」で構成されている。Googleのアカウントセキュリティ担当ディレクターを務めるマーク・リッシャー氏に話を聞いたところ、これらの認証プロトコルはユーザーの「責任の重圧」を解消するものであり、「ゲームチェンジャー」になるという。
FIDO2認証のサポートは「Google Play」サービス経由で提供しており、Googleアプリスイートを実行する全てのAndroid端末に自動アップデートを配布する。Googleの広報担当者によると、2019年1月末に提供を開始した「Chrome for Android」バージョン72にはFIDO2サポートが組み込まれているという。
他のAndroid用ブラウザ(「Samsung Internet Browser」や「Mozilla Firefox」など)のFIDO2対応状況や、今後の対応予定は不明だ。
AndroidがFIDO2認定を受け、Chromeの更新も済んだことにより、後は各Webサイトやアプリが認証API呼び出しをサポートすればFIDO認証が使用可能になる。FIDO Allianceの最高マーケティング責任者を務めるアンドリュー・シキアー氏はこのように語る。
「Webサイトでは、単にログインページのJavaScriptを更新するだけでなく、使用する認証インフラにFIDO2サポートを組み込んで、ユーザーの端末とWebサイトのサーバの間で受け渡す新しい標準メッセージをWebブラウザが処理できるようにする必要がある。幸いにも、多くのFIDO認定サーバ関連ベンダーが既にFIDO2サポートを組み込んだ製品を提供している」
シキアー氏によると、FIDO2は2018年4月に公開された新しい規格だが、「この9カ月でFIDO2対応Webサイトを展開するためのインフラは整ってきた」という。
「米国のMicrosoft、Login.gov(米国政府のWebサイト用シングルサインオンサービス)や、Yahoo JapanなどでFIDO2の導入は進んでいる。他の多くの大手ブランドもそれぞれFIDO2の実装に積極的に取り組んでいる」と同氏は説明する。
「既に主要なWebブラウザ(デスクトップ用)が全て対応しており、Microsoftも『Windows 10』と関連プラットフォームテクノロジーにサポートと連携の仕組みを組み込んでいる。今回、Androidの巨大なエコシステムがこれに加わり、10億台を超えるAndroid 7.0以降の端末がFIDO認証対応のWebサイトを利用できるようになった。これで普及への道筋は整ったといえるだろう」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ファインディ株式会社] AI利用率だけでは説明できない成果 開発組織の競争力を生む「開発資本」とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] AI活用を成功へ導く、シンプルで費用対効果に優れたクラウド基盤とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] マネージドKubernetesには限界も――メリットをフル活用する新たな選択肢とは? -
技術文書・技術解説
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 決断の日が迫る「vSphere 8」サポート終了問題 考慮すべきリスクと選択肢は? -
製品資料
[サイバーソリューションズ株式会社] メール誤送信対策のルールが肥大化 苦しむ情シスはどうすれば救われるのか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
3
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
4
Copilot導入で陥る“目的化”の落とし穴 定着の鍵は「作り込まない」こと
-
5
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
6
kintoneで実践 製造業のための「見積もり管理」改善のヒント
-
7
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
8
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
9
祝10周年! 創業者も予想できなかったRaspberry Pi活用例
-
10
「サイバー犯罪株式会社」に潜入 現地調査で判明した“犯罪者求人”の実態
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
4
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
7
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
10
マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー