VMwareとの連携も重要に
関係者を驚かせた「AWS Outposts」はハイブリッドクラウドの本命になるか?(2/2 ページ)
AWSが提供するストレージ、セキュリティ、データベース
ジャシー氏の基調講演で注目すべき点は他にもある。AWSが2019年に新たにリリースするストレージサービス「Glacier Deep Archive」だ。これは、低コストかつ大規模なテープベースのストレージを好みながらも、もっと新しいデータ管理手法への移行を求めている顧客をターゲットにする。
Glacier Deep Archiveは、AWSが以前提供していたストレージサービス「Amazon Glacier」を基礎に構築されたサービスで、99.9999999%の可用性があるとジェシー氏は説明する。コストは1TBにつき月額1ドルで、Amazon Glacierに比べて4分の1になる。顧客がどの程度の速さでGlacier Deep Archiveのデータを取得できるようになるかは明かされていないが、基本構成のAmazon Glacierより遅くなる可能性は高い。
もう一つAWSの新しいサービスがある。最高情報セキュリティ責任者(CISO)を対象にした「AWS Security Hub」だ。このサービスでは、AWS環境全体のセキュリティとコンプライアンスに関するソフトウェアを管理するための単一のGUIが提供される。Trend MicroやMcAfeeの製品を始めとした、AWS上で実行されるサードパーティー製セキュリティ製品の管理もできる。
AWS re:Invent 2018の開催前、AWSが新しいデータベースの製品を発表するのではないかとうわさになっていた。このうわさは、IoT(モノのインターネット)のワークロードを管理、運用する時系列データベースサービス「Amazon Timestream」として現実のものとなった。AWSによると、このマネージドサービスでは、リレーショナルデータベースの何分の1程度の料金で、何兆件ものイベントを毎日分析できるという。コストの節約と効率向上のためにサーバレスアーキテクチャが採用されるとも同社は説明している。
さらにAWSはフルマネージド型台帳データベース「Amazon Quantum Ledger Database」(Amazon QLDB)も提供する。これは、イミュータブル(不変)かつ暗号的に検証可能なデータストアを提供するマネージドサービスだとAWSは説明している。ブロックチェーンのフレームワークを使わずに、ブロックチェーンでもたらされるような高い信頼性を必要とするアプリケーションの構築を考えている企業がターゲットになる。
仮想通貨の「Hyperledger」や「Ethereum」は、ノードのピアツーピアネットワークを使って分散型アーキテクチャを作り上げている。このアーキテクチャでは単一障害点(Single Point of Failure= SPOF)が生まれないことが保証される。トランザクションを実行するにはネットワーク内にある全ノードの過半数の合意が必要になる。これに対して、Amazon QLDBサービスは集中管理型のアーキテクチャを採用する。AWSによれば、このアーキテクチャはブロックチェーンのフレームワークよりもパフォーマンスが高くなるという。
「AWS re:Invent 2018で発せられた重要なテーマは、AWSの原動力となるのが今後も競合ベンダーとの競争ではなく、顧客のニーズだということだ」(バルトレッティ氏)。同氏がこう語る根拠は2つある。1つ目はAWSが新たにリリースする製品、サービスが対象にしているのは新しいコンピューティングのインスタンス、特にハイパフォーマンスが求められるコンピューティングのワークロードだという点だ。2つ目はストレージの自動階層化にヒントがある。この機能には、企業がさまざまな種類のアプリケーションやデータをパブリッククラウドに移行する際の障害を取り除く意図が反映されている。
マネージドサービスに重点が置かれている点も、AWSが顧客のニーズを志向している点だと、バルトレッティ氏は補足する。「AWSは、フルマネージドサービスのさまざまなバージョンを用意して、パブリッククラウドでもオンプレミスでも顧客が必要とする場所でニーズに応えようとしている。プラットフォームを自ら構築して運用することを考えている顧客もいれば、そうでない顧客もいる」(バルトレッティ氏)
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