「AIフレンドリーなHCI環境を目指す」
AI処理に最適なHCIは? Dell、HPC、Ciscoなど代表的製品を比べる(2/2 ページ)
AIをHCIに
HCIはAIなどの機械学習ワークロードをサポートするだけではない。HCI自体もAIテクノロジーのメリットを生かしている。HCIプラットフォームではAIを生かすことでシステムやワークロードを管理しやすくなる。また、日常のタスクの自動化も支援される。さらに機械学習の進歩は、ITインフラ全体での作業に対応した「よりインテリジェントなデータツール」をもたらす。このトレンドは「AIOps」(AIを使った運用管理)と呼ばれ、注目されている。
機械学習などのAIテクノロジーとともにビッグデータ分析を組み込むことで、管理業務の効率を上げ、ワークロード管理を最適化する。例えばリソース管理に適用するとリソースの最適化が進む。AIOpsでは、データセンター管理に対し、環境全体にまたがる総合的なアプローチを取る。そうやってHCIとHCI以外の両方のデータポイントから収集したデータを分析することにより、パターンを明らかにし、異常を特定、結果を予測する。
AIOpsではHCI環境を他のリソースと同じように扱うのが理想だ。
リソースが仮想化されていても、リソースが物理環境(ベアメタル)であっても同様に処理する。それにより、ワークロードを最も適切なコンピューティング、ストレージ、ネットワークの各リソースに割り当てられるようになる。AIOpsは、個々のHCIのようなサイロ化されたITリソースが原因で生じる問題への対処にも役立つ。
HCIアプライアンスには、システム自体を管理する包括的なソフトウェアが搭載されるのが一般的だ。だが、そのようなシステムを他のシステムに有意義な形で接続するのは、特に従来型のITツールを使っていると非常に難しい。AIOpsは、全てのシステムから集めたデータを調整することでこの問題に対処する。複数のHCIアプライアンス、仮想サーバ、ストレージノードなど、収集元になるシステムの種類や数は問わない。
AIOpsは、予測分析を使ってキャパシティープランニング(許容量計画)とリソース割り当ての効率化を支援できる。同時により正確かつ迅速な洞察にも効果がある。さらに、ソフトウェアで定期プロセスを自動化し、サービスの中断、システム障害、セキュリティの脅威などの問題を素早く検出して対処することも可能だ。
例えば「FixStream」では、NutanixのHCIを監視と分析の対象に含めることができる。それによってリソースの自動検出、ほぼリアルタイムのインベントリ管理、動的なレポート生成、アプリケーションフローの特定などのサービスが利用できる。
そのようなサービスが提供されるとはいえ、AIOpsはまだ歴史の浅いテクノロジーだ。企業はその本格的な影響をまだ受けていない。ほとんどの企業は相変わらず従来型ツールを使用してHCI環境を含めた全く共通点のないリソースを管理している。それでも、AI管理テクノロジーが継続的に改善されれば、ITインフラへのAIOpsの影響をHCI環境でも強く感じられるようになる。
その一方で、AIOpsほどには高い目標を掲げていない取り組みも進行しており、ベンダーは、AIテクノロジーを組み込んだ管理ツールの提供を始めている。例えば、AIを使用して特定の作業の効率を高めるツールもある。具体的には、ハードウェアリソースの最適化、利用可能なストレージノード全体へのワークロードの負荷分散、HCI環境からセカンダリーストレージへのデータ移動、HCIクラスタ全体で個人情報を追跡することによるコンプライアンスの確保などだ。
AIの果てしなき世界
AIワークロードの規模や量は着実に進化し、増加している。これらのワークロードをサポートするHCIもそれは同じだ。HCIベンダーは、ミッションクリティカルなアプリケーションに適切に対応すべく各社の製品を強化している。一方、インフラを最適化し、管理するAIOpsやAIベースのツールが追い付いてくるのはまだ先の話だ。
とはいえ、注目に値するAIによるIT管理への進出が始まっている。HCIリソースとHCI以外のリソースはどちらも管理が向上する見込みがある。これはリソースやワークロードの管理の効率を上げるだけではない。もっと大きなビジョンにHCIを取り込む見込みがある。そこでは、全てのリソースがITインフラ全体をまたがる統合システムのコンポーネントとして扱われる。それによって、より効率的かつ安全にワークロードが配置されると同時に、手元のリソースがより適切に活用されるようになるだろう。
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