「AIフレンドリーなHCI環境を目指す」
AI処理に最適なHCIは? Dell、HPC、Ciscoなど代表的製品を比べる(1/2 ページ)
リソースを大量に利用するAI(人工知能)のワークロード需要が高まっている。そのため、HCI(ハイパーコンバージドインフラ)もそうした需要に対応するために進化している。
AI(人工知能)などの機械学習が、最近のインフラに大きな影響を与えている。AIなどの機械学習のワークロードが増えたことだけが原因ではない。管理ツールにAIなどの機械学習が組み込まれるようになったことも一因になっている。
その点を考えると、これらのテクノロジーがHCI(ハイパーコンバージドインフラ)に影響を及ぼすようになっていることも驚きではない。その結果、HCIベンダーはさらに強固なシステムを開発するようになっている。しかも、こうしたシステムは企業のITフレームワーク全体に組み込まれる。
AIワークロードのサポート
最も基本的なレベルで言えば、AIとはコンピューティングシステムなどの機械で「人間の知能のシミュレーション」を行うものだ。AIはルールベースの学習と推論を使用してデータを分析し、おおよその結論か、最も確度の高い結論へと導く。さらに、AIには自己修正メカニズムも組み込まれる。利用できるデータが増えるにつれ、分析の精度が上がっていく。
機械学習の分野には多数の領域があり、AIもこれに含まれる。機械学習はプログラミングを明示的に必要とすることなく、アプリケーションによる結果の予測を可能にする。基本的に、機械学習はデータに対して統計的分析を実行する一連のアルゴリズムだ。パターンを見つけ出し、それを使うことで結果の予測とその後の動作を実行できる。
AIのワークロードでは、これまで以上にコンピューティングリソースとストレージリソースが必要になる。その結果、IT部門はAIに対応するリソースを求めて奔走している状況だ。こうした状況に応じて、HCIベンダーはAIなどの機械学習のワークロードに対応すべくサービスを更新している。大量のデータをリアルタイムで処理するのに必要な性能を備えたハードウェアとソフトウェアのコンポーネントを組み込んでいる。
例えば、Dellは、同社の第14世代「PowerEdge」サーバを基礎にHCIの「VxRail」を構築している。VxRailは、大容量メモリ対応のCPUとNvidia製GPU「Tesla P40」に加えて、25Gbps接続と不揮発メモリ(NVM)フラッシュドライブをサポートする。Dellによると、最新のVxRailアプライアンスは現在のミッションクリティカルなワークロード向けに設計されており、同社の以前の「VxRail G」シリーズよりもパフォーマンスが大幅に優れるという。処理能力とメモリを増やし、IOPS(単位時間あたりの処理件数)を向上させ、応答時間も短縮している。これらはいずれもAIワークロードに不可欠だ。
Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、AIなどリソース負荷の高い、変動するワークロードをサポートすべく同社のHCI「HPE SimpliVity」シリーズを更新している。例えば、HPE SimpliVityシステムは、同社の「Composable Fabric」で利用できる。Composable FabricはHCIに統合されるSDN(ソフトウェア定義ネットワーク)で、ネットワーク管理の定期タスクを自動化する。例えばコンピューティングやストレージのイベントにリアルタイムに対応するためにネットワークファブリックをプロビジョニング(リソース調整)する、といった具合だ。また、ハイパーコンバージドノード、仮想コントローラー、仮想マシンを自動検出することも可能だ。
Cisco Systemsは同社がリリースした「HyperFlex 3.5」を“AIフレンドリーなHCI環境”として売り込んでいる。Nvidiaのデータセンター向けGPU「Tesla V100」をサポートしており、GPUを搭載したコンピューティング専用ノードを使ってスケーリング(拡張)も可能だ。それにより、AIワークロードの要件に適切に対応できるようになる。
AIなどの機械学習をサポートするHCIベンダーの例には、IBMやNutanixもある。AI、機械学習アプリケーションなど、ミッションクリティカルなワークロードをサポートする目的でプライベートクラウドの導入を計画している企業もある。IBMとNutanixは連携し、そうした企業にHCIを提供している。そのHCIプラットフォームにはNutanixの「Acropolis Hypervisor」(AHV)仮想化が組み込まれている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
7
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー