AIOpsツールでは、予測分析、正常性評価、予防措置の提案が可能になる。発生した問題に反応して解決するために面倒な作業全てをこなす管理業務はなくなる。
CIOは多くの場合、人員の確保や業務の継続運用にかかる予算比率の高さに嘆いている。これらは、必要だが目には見えないIT運用の仕事だ。
CIOは組織に高い付加価値をもたらす革新的なプロジェクトに携わりたいと考えている。だが、基盤となるコンピュータシステムの稼働時間やパフォーマンスが十分でなく、特にそれが収益に直結するとなれば、なかなか決断できない。サービスが停止したPC画面をじっと見つめたいとは誰も考えていない。そのため継続稼働は極めて重要になる。ただし、継続稼働させる方法は1つではない。
AIOps(Algorithmic IT Operations)ツールは、AIを利用して、運用チームの指示に基づき環境の監視と管理を行う。AIOpsは主体性、予測性、規範性、個別性を高めてプロセス全体を変えることで、クラウドとITのこれまでの運用を大きく変える。
システムの監視や問題の予測は人間にも可能だ。だが、企業の環境全体を常に守備範囲にできるほど熟達の人材は望めない。また、DevOpsやITの管理者の多くは、発生した問題の根本原因の特定に必要な全てのアプリケーションやシステムの専門知識を備えているわけではない。人間主体の手法は手作業に頼る事後対応型になる。
クラウドとITは、今後AIや機械学習アルゴリズムの導入が期待される分野だ。IT環境内のユーザー、物理/仮想デバイス、アプリケーションは全て、ログ、イベント、メトリック、アラートの形式でデータを生成する。AIOpsツールはシステムの正常性を反映するために、こうしたデータを収集する。アプリケーションのパフォーマンスが遅い。データベースが円滑に実行されている。プリンタのオーバーヒートが発生している。全てのWAN接続が稼働している。ユーザーがロックアウトされた。このように、詳しく見ればさまざまな状態が24時間365日発生している。AIと機械学習システムはIT環境を学習してこれを活用し、時間をかけて人間の介入がほぼ皆無になる状態までAIOpsの活動を主体的に駆動させる。
AIと機械学習は、日常作業に携わる人間の労力を補完、増強することで管理者を解放する。管理者は、知性を必要とする付加価値の高い、より重大な業務を遂行できるようになる。
AIOpsの予測ツールは、障害が発生する恐れ見つけ、それを解決してダウンタイムを回避するための是正措置を提案する。こうした措置には、サーバのリブートやアプリケーションへのパッチ適用などがある。対照的に、AIを搭載していない監視システムの場合、障害発生後にそれを把握し、IT運用管理者に警告して、その後の診断や解決をサポートしなければならない。
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