開発と運用のタスクを自動化
AIOpsはDevOpsとは別物 役に立つ場面は?
AIOpsとDevOpsの違いは曖昧に見えることがよくあるが、この2つは全く別物だ。AIOpsとその導入によってもたらされる効果について、詳しく説明する。
AIOpsとは、開発と運用のためのデータ集約型で反復的なタスクを自動化するために、人工知能(AI)技術を用いることだ。
DevOpsの専門家は、モニタリング、タスクの自動化、CI(継続的インテグレーション)/CD(継続的デリバリー)をAIOpsツールの主要分野としている。
併せて読みたいお薦め記事
AIOpsについてもっと詳しく
AIOps関連製品を知る
AIとIT部門の接点
AIOpsとDevOpsという用語はどちらも製品マーケティングでは一般的だが、必ずしも正確に使用されているとはいえない。アプリケーション監視ツールを提供するDynatraceのアンドレア・グラブナー氏は、AIOpsとDevOpsが組織構造の変化を促していると述べる。
「AIOpsツールを使用すると、IT部門の従来の開発、テスト、運用を担当する各チームは社内のサービスプロバイダーとなって、自社内のデジタル要件を満たすことが可能になる。AIOpsプラットフォームは、企業がレガシープラットフォームとクラウドプラットフォームを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャ全体でデータを監視するのにも役立つ」とグラブナー氏は述べる。複雑なIT環境では、多くのデータを処理する新しいツールとテクノロジーが必要だ。その結果、AIOpsのツールとプラットフォームの必要性が高まっている。
チームコラボレーションツールのプロバイダーHugoのCOO(最高執行責任者)を務めるダレン・シャイト氏は、AIOpsが、DevOpsツールとプロセスと同時に実行されるレイヤーとしても捉えることができるという。チケット発行などデータ集約型の反復する手作業の合理化を検討している企業は、AIOpsプラットフォームの概念実証プロジェクトに参加するとよい。
AIOpsツールは、その他の最新DevOpsスタック用ソフトウェアよりも高度な監視機能を提供する。例えばAIOpsツールは、パフォーマンスやインフラストラクチャの構成の変更に関連し、ビジネスに重大な影響を及ぼす可能性のあるデータの変化を監視する。しかし予測可能で単純な監視には、AIOpsツールが不要な場合がある。
AIOpsとDevOpsの境界線
DevOpsおよびAIOpsツールは、CI/CDや監視、システム診断、インシデント修正などの運用タスクでも役に立つ。しかし、この各ツールセットの間にはある程度の重複がありながら、それぞれが効果的な実装を目的とした固有の要件がある。例えば、AIOpsは機械語モデルのトレーニングを自動化してソフトウェアの構築をする。AIOpsツールは、言語モデルのトレーニングを継続的に実行するための再帰処理をする、機械学習固有のワークフローに適応できる必要がある。
AIOpsの自動化設計手法は、言語モデルのトレーニングプロセスの繰り返しとは根本的に異なる。AIOpsはもともと再帰的で条件的であり、取得データの正確性に大きく依存する。設計手法は、選択的データ抽出アルゴリズムにも依存する。
ツールセットに関しては、DevOpsエンジニアは、Jenkins、CircleCI、Travis、Spinnaker、Jenkins XをCI/CDの業界標準と見なしているが、これらはArgoなどのAIOps対応ツールではない。
AIOpsは、機械学習テクノロジーでDevOpsを補強するが、新しいDevOpsではない。このことをIT運用チームが理解し、これと矛盾する誇大広告には惑わされないようにする必要がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
4
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
5
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
-
6
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
7
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
8
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
9
「また同じ説明か」 消費者の半数が離脱するAIチャットbotの“記憶喪失”
-
10
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー