Windows「レジストリ掃除」の“本当の効果” 必要なのか無意味なのか?レジストリ構造と最適化のこつ【第2回】

Windowsのレジストリはシステムの重要な情報を含んでおり、安易に変更することはお勧めできない。だがレジストリのクリーニングによる効果を期待する人は少なくない。レジストリに関する正しい知識とは。

2024年03月11日 10時15分 公開
[Ed TittelTechTarget]

関連キーワード

Windows 10 | Windows | Windows 11 | ビジネスPC


 MicrosoftのクライアントOS「Windows」のユーザーや管理者の中には、Windowsの「レジストリ」を耳にしたことのある人は少なくないはずだ。レジストリとは、Windowsのシステムやアプリケーションに関する設定情報を含むデータベースだと考えるといい。

 Windowsの動作が遅くなったりストレージの容量が肥大化したりする場合は、「レジストリのクリーニングが効果的だ」という意見を一部の人は信じてきた。それは本当なのか。システムへの悪影響を避け、Windowsを快適に使い続けるには、レジストリに関する正しい知識を持っておくことが欠かせない。

Windowsのレジストリを掃除する“本当の効果”とは?

 Windowsの管理者がWindowsのアプリケーションやユーザーアカウント、Windowsの設定に変更を加えたり、追加・削除をしたりする場合、レジストリはそうした変更をレジストリの構成要素の一つである「サブキー」と「値」の組み合わせによって記録する。このプロセスは、レジストリの5つの「ハイブ」の複数に関係するサブキーを含むことがある。ハイブとは、レジストリの階層的なデータベース構造のうち、最上位に位置するセクションを指す。

 サブキー構造が新しいものに置き換わる際、元のサブキーと値のセットがレジストリに残ることがある。「レジストリクリーナー」を使用してレジストリを整理する理由の一つは、そうして使用しなくなったサブキーとそれに関連する値を特定し、削除することにある。

 不要または無効になった設定をそうしてクリーンアップすることは、レジストリを最新かつコンパクトに保つことに役立つ。ただしその作業は、実は必ずしも必要なわけではない。

 Windowsの専門家の中には、不要になった設定が“無害”だという見解に同意する人が少なくない。レジストリクリーナーの効果は限定的であり、不要または無効な設定が蓄積されていたとしても、システムの動作の速さや安定性に悪影響を与えるとは限らないという。その意見を前提にすると、マルウェア感染の痕跡を除去する必要がない限り、レジストリに変更を加える必要性はあまりない。

 レジストリの編集に慎重にならざるを得ない別の理由は、編集時の誤操作によってWindowsのシステムを破壊するリスクがあることだ。ほとんどのWindows管理者にとって、レジストリの編集はリスクを取って実行するほど価値のあるものだとは言えない。ただし編集の作業を慎重に計画すると同時に、レジストリのバックアップを取得しておくことで、そうしたリスクを軽減することは可能だ。

 もちろんWindowsのレジストリを整理することが「一定の効果につながる」という意見を、完全に否定するわけではない。


 次回は、レジストリクリーナーの例を踏まえて、レジストリのクリーニングに関する基本を解説する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

技術文書・技術解説 TIS株式会社

APIはじめてガイド:開発から管理までを効率化するためのポイントとは?

次なるビジネスの中核を担う可能性を秘めているAPI。APIを本格利用する組織にとっては、効率的な開発・公開・運用・管理方法を確立することが重要課題となっている。本資料では、効率化に向けて知っておくべきポイントを解説する。

製品資料 Okta Japan株式会社

SaaSの非アクティブユーザーを特定し、アクセス権を適切に管理する方法とは?

組織が導入するSaaSの数は増加する一方だが、全てが有効に使われているとは限らない。IT部門には、各SaaSへの不要なアクセス権を取り消すことが求められているが、個別のSaaSシステムをまたいで非アクティブユーザーを特定するのは難しい。

市場調査・トレンド 横河レンタ・リース株式会社

PC運用管理者1030人に聞いた「PC運用の実態調査」、担当者を悩ます課題と解決策

近年の情報システム部門は多数の業務を抱えており、中でもPCの運用・管理担当者の業務負荷をいかに軽減するかが大きな課題となっている。1030人を対象に行った調査をもとに、PC運用・管理業務のあるべき姿を探った。

事例 Asana Japan株式会社

“208カ国の壁”を突破しスズキが残業35%減を実現、その全貌とは

“100年企業”スズキでは、DX推進のアクションプランに、「仕事のシンプル化」「ムダの削減」「全社的な可視化」を挙げている。同社はあるツールを導入したことで、業務の見える化や標準化、残業時間の35%削減を実現したという。

製品資料 SUSE ソフトウエア ソリューションズ ジャパン株式会社

システム乱立やコスト増の課題も、マルチLinux環境の運用をどう効率化する?

企業では「マルチLinux」環境が有効な取り組みとして浸透しているが、一方で管理の複雑化という課題も浮上している。本資料ではマルチLinux環境が浸透してきた背景やその利点を整理し、新たな課題の解決策について解説する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

Windows「レジストリ掃除」の“本当の効果” 必要なのか無意味なのか?:レジストリ構造と最適化のこつ【第2回】 - TechTargetジャパン システム運用管理 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...