MacからWindows PCへの乗り換えに関心があった私は、「AI PC」に注目が集まっているのを機に、Windowsの世界に飛び込んでみることにした。そこで、PCの使用体験に大きく影響する一つの問題にぶつかった。
AppleのクライアントPC「Mac」を愛用してきたユーザーとして、私はMicrosoftのクライアントOS(デスクトップOS)「Windows」搭載のPC(以下、Windows PC)に乗り換えるとはどのような体験なのか、強い関心があった。AI(人工知能)技術をPCで稼働させる「AI PC」が台頭する中で、Windows PCは市場で健闘している。そこで私はMacを封印してWindows PCに乗り換えてみたのだが、PCの使用体験に大きく影響する問題が一つあった。
私が使ってみることにしたのは、MicrosoftがAI PCブランドとして提供する「Copilot+ PC」の機種の一つ、Dell Technologiesの「XPS 13」だ。これはQualcomm TechnologiesのArmプロセッサ(Armアーキテクチャのプロセッサ)「Snapdragon」シリーズを搭載している。
MacとWindows PCの間には操作に関する大小さまざまな違いがある。その中でも、私にとって最大の問題となり、作業効率に大きく影響したのはアプリケーションを素早く起動させるためのランチャーアプリケーションの存在だ。Macには「Alfred」というランチャーアプリケーションがある。Alfredに近いアプリケーションとしては、Windowsには「PowerToys」があるが、両者の実装と使い方はかなり異なる。
私はAlfredをシンプルな用途に利用しているが、なくてはならないものとなっている。私はいつも、「Ctrl+S」で検索ウィンドウを開き、単語を入力してから「Enter」を押してデフォルトのWebブラウザで検索をする。特定のサイトを指定するキーワードも追加できる。例えば、「yt ピンボールマシン」と入力すれば、「YouTube」内を直接検索できる。素早く直感的に操作でき、私の日常作業の基本部分になっている。
Windows用の同等のアプリケーションを見つけることは非常に重要だったが、探しても見つからなかった。PowerToysの他に、「Wox」「Listary」「Keypirinha」などを試してみたが、どれもAlfredのようにシンプルではなかった。そこで自分でツールを作り、「Jeeves」と名付けた。Jeevesは、これまで通りの作業効率を取り戻すために同じ機能を「AutoHotkey」で再現したスクリプトだ。
ここで言いたいのは自作ソフトウェアの宣伝ではない。OSを乗り換えるのがいかに大変かということだ。アプリケーションやWebブラウザ、デスクトップの背景、周辺機器などの大きな変更だけでは十分ではない。それ以外にも、毎日、毎時、毎分のユーザー体験に実質的な影響を及ぼす細かい違いが無数にある。
次回は、MacからWindows搭載PCに乗り換えてみた体験を総括する。
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