テレワークを採用する企業が広がり、自社データを守るための対策がより重要になった。どのような点に注意が必要なのか。テレワークで発生しやすい6つのリスクを解説する。
テレワークの普及に伴い、情報漏えいやサイバー攻撃といったデータを取り巻くリスクが一層深刻化している。企業内でさえデータ保護が難しい中、テレワーク環境ではより高度なセキュリティ対策が求められている。テレワークでは特に、以降で解説するリスクの高まりに注意が必要だ。
データ保護の観点で最も脆弱(ぜいじゃく)な部分は「従業員の行動」にあると言える。テレワークでは、この脆弱性はさらに顕著になる。テレワークに起因するデータセキュリティのリスクは、以下6つのカテゴリーに大別される。
従業員の中には、テレワーク勤務に備えて自宅のセキュリティを万全に整える人もいる。しかし、大半の場合はそうではないため、攻撃者に狙われる可能性がある。例えば、以下のような点がデータ漏えいのリスクを招く。
テレワークでは、個人のデバイスを仕事に使用するケースが増えている。機密データを扱うPCで、私用のメールやネットショッピングをしている従業員も一定数存在する。たとえ会社支給のPCを使用する場合でも、自宅では個人的な作業をする機会が増えるため、セキュリティリスクは高まる。
特にSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用には注意が必要だ。業務上のやりとりや機密情報を誤ってSNSに投稿するなど、データ漏えいにつながる可能性がある。
テレワークにおける大きな懸念として、「シャドーIT」が挙げられる。シャドーITとは、IT部門が承認していないアプリケーションやサービスを従業員が独自に使用することを指す。
シャドーITを放置することで、以下のような問題が発生する可能性がある。
オフィスと異なり、自宅ではセキュリティ管理が行き届かないため、以下のような作業習慣が生じやすくなり、データ漏えいリスクも高まる。
テレワーク自体に不慣れな従業員もいれば、新たな業務フローを学ぶ必要のある従業員もいる。そうした場合、以下のような問題が発生しやすい。
オフィス勤務と比較して、テレワークではセキュリティチームが従業員の行動を監視しにくくなる。そのため、機密情報や知的財産を盗もうとする従業員の特定が困難になる。さらに、労働時間の削減や給与の減少など、先行き不透明な状況への不安が、従業員の内部不正を助長する可能性がある。
次回は、安全なテレワークを実現するためのポイントを解説する。
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