Windows 10のサポート終了が迫っているにもかかわらず、「Windows 11」へのアップグレードが軽視されている。Windows 11が不人気な背景には何があるのか。
MicrosoftのクライアントOS「Windows 10」のサポート終了の期限が設定されている現状では、企業は「Windows 11」への移行を真剣に考えなければならない。ところが直近の調査によると、Windows 11へのアップグレードは軽視され、人気がない。企業がWindows 11に関心を示さない背景には何があるのか。
米TechTargetの調査部門Enterprise Strategy Group(ESG)は、IT支出の優先課題に関する調査「2024 Technology spending intentions」を実施した。この調査では、PC作業の生産性向上やPC刷新を優先課題とする傾向が顕著だった一方、Windows 11へのアップグレードに関しては意見が分かれる結果となった。同調査は、世界のIT意思決定者1432人を対象にしたものだ。
Windows 11へのアップグレードに関しては、米国と欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域で明確な差が生じた。米国のIT意思決定者は、PCの刷新とWindows 11へのアップグレードに対する支出を優先課題と位置付ける傾向が強かった一方、EMEAでは対照的な結果になった。
エンドユーザーのIT利用に関する分野のうち、Windows 11へのアップグレードの優先順位は、北米では2位だった。これに対してEMEA地域では、Windows 11へのアップグレードは同分野で6位にとどまった。
EMEA地域では、Windows 11へのアップグレードは軽視される傾向にある一方で、PC刷新はエンドユーザーのIT利用の分野で2位に入っている。MicrosoftがWindows 10のサポート終了を2025年10月に設定しているにもかかわらず、企業はWindows 11へのアップグレードにはそれほど関心を示していない。ただしPC更改が進むことで、Windows 11へのアップグレードが進むことは確かだ。企業はOSのアップグレードよりも、PCの更改を重視している。
その他、Windows 11へのアップグレードよりも企業の優先課題として顕著だったのは、「Microsoft 365」や「Google Workspace」といったオフィススイートを含む業務用ツールの活用だ。1432人のうち36%が、業務用ツールを最優先の課題に挙げた。この結果には、IT意思決定者がコラボレーションの合理化や、組織全体の業績向上によりつながるツールの提供を重視している傾向が出ていると考えられる。
後編は同じ調査を基に、生産性向上に関する課題や、デバイスの更改に関する優先課題を中心に紹介する。
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