MacからWindowsへの移行、反対にWindowsからMacへの移行を検討している人は少なくないだろう。Mac愛好者だった筆者がWindowsに乗り換えてみた結果、良い点も悪い点もあった。
AppleのクライアントPC「Mac」を使い続けてきたMac愛好者の一人として、私はMicrosoftのクライアントOS「Windows」の進化にも強い関心を持つようになっていた。MacからWindowsに乗り換えるとはどのような体験なのか、そしてその価値はあるのかを考えるために、AI(人工知能)技術の搭載で関心が高まっているWindowsの「AI PC」を使ってみることにした。MacユーザーもWindowsユーザーも、両OSの違いが気になっている人はこの評価を参考にしてもらいたい。
MicrosoftはAI PCのブランドとして「Copilot+ PC」を押し出している。その機種の一つに、Dell Technologiesの「XPS 13」がある。Qualcomm TechnologiesのArmプロセッサ(Armアーキテクチャのプロセッサ)「Snapdragon」シリーズを搭載するAI PCだ。私は愛用してきたMacを封印して、このWindows PCを使ってみた。
このようなことを書くと、口うるさい人間が細かいことにいちいち文句を付けているだけだと思われるだろうが、そうではない。Macユーザーから見ると、WindowsとMacにはさまざまな違いある。改善が必要だと指摘したくなる点もあるが、2カ月間使ってみた結果として、良いと感じる点も多数あった。その一部は以下にまとめた。
これらを加味すると、もし私が何年にもわたってOSのバージョンアップを繰り返してきたWindowsユーザーだったとしたら、満足しただろう。
だが、Macから移ってくるといろいろな部分が目に付き、小さなことも気になりやすい。どうにかして乗り越えようと思っても、アイコンや用語や手順などの違いが次々と押し寄せてきてしまう。
断っておくが、その問題は使用しているハードウェアのせいではない。ほぼ全ての責任はMicrosoftにある。Macユーザーも使いたくなるようなPCをハードウェアパートナーに作ってもらいたければ、Microsoftがやるべき重要事項がある。
要するに、乗り換えは簡単ではない。Macからの移行を検討するユーザーは、誰しもがそこに留意しなければならない。そしてそれは逆の場合にも当てはまる。MacユーザーがWindowsに乗り換えるときも、WindowsユーザーがMacに乗り換えるときも、詳細は違えど同じくらいの困難が待っている。
Windowsを標準にしようと考えている企業は、Macユーザーを移行させるときに発生する負荷を認識しておかなければならない。その方向で進めるには、サポートとトレーニングにリソースを投入する必要がある。PCベンダーは、優れたデバイスを作るだけでは十分でないことを理解しておくべきだ。移行を支援するツールを作って乗り換えをサポートすることが自分たちの役割であるかどうかを見極める必要がある。それに必要な投資とその見返りを考えると、そうした支援をする価値があるかどうかは分からない。
私の場合、今はMacとWindowsを行ったり来たりしながら両方の世界にいられるかどうかを試しているが、おそらくMacに戻ることになるだろう。1つのエコシステムに縛られるのは好きではないが、その方が総じて楽だ。特定の機能に悩まされたり、キー操作に手間取ったりするよりも、もっと生産的な作業に時間を使うことができる。結局、最後はそれが私の決め手となる。
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