ダークWeb潜入レポート【前編】
不正に売られている「企業ネットワークへのアクセス権」の相場は?
闇市場の攻撃者フォーラムでは、企業のネットワークやデータへのアクセス権が不正に販売されている。アクセス権の価格や被害企業の傾向は。調査結果に沿って紹介する。
ネットワークやデータへのアクセス権の不正販売がビッグビジネスと化している。攻撃者が被害企業について沈黙を守っている限り、アクセス権の不正販売価格は1件当たり数千ドルに上ることもある――。こうした実態が、脅威インテリジェンスベンダーIntSights Cyber Intelligenceがまとめた報告書で明らかになった。IntSightsはダークWeb(特定の手段でしかアクセスできないWebサイト群)の攻撃者フォーラムサイトに長期間潜入。攻撃者によるネットワークアクセス権の不正販売46案件を分析した。
狙われやすい企業の特徴
IntSightsによる調査の結果、攻撃者が不正入手したアクセス権の価格には大きな幅があることが分かった。46件のうち販売者が価格を付けた40件のアクセス権について、販売価格の中間値と平均販売価格はそれぞれ、
- 中間値:3000ドル
- 平均販売価格:9640ドル
だった。これはアクセス権の不正販売市場の変動が激しく、被害企業に左右されることを映し出している。
調査書は、アクセス権の不正販売価格に影響を与え得る要因として以下を挙げる。
- アクセス権や操作権限の範囲
- 被害企業の規模と価値
- 被害企業の業種と所在地
- データの売り手の販売戦略
これらの理由から、資金力のある北米企業のネットワークへのアクセス権はニーズが高い傾向にある。IntSightsの推定によれば、調査対象の企業のうちネットワークやデータへのアクセス権を売り出された企業の所在地は、1位の北米が37.5%、2位の欧州と中東はそれぞれ17.5%だった。
インドは例外だ。インドでは英語が広く使われており、北米や欧州の企業のアウトソーシング先企業が集まっている。そのため「攻撃者にとってインドに拠点を置く企業は魅力がある」と報告書は指摘する。
報告書によると、調査対象となる不正アクセスを受けた企業の業種のうち、最も多かったのはIT企業と通信企業で22.0%を占める。2位は医療・医薬品、金融サービス、エネルギー・産業の3業種がそれぞれ19.5%で並んだ。
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