TechTarget発 世界のITニュース
ランサムウェア「Conti」の攻撃が欧米で多発 FBIがセキュリティ警告
ランサムウェア「Conti」の攻撃が相次ぎ、米国や欧州の医療機関を中心に被害が広がっている。FBIも目を光らせるこれらの攻撃はどのような手口を使っているのか。
米連邦捜査局(FBI)はランサムウェア(身代金要求型マルウェア)「Conti」による攻撃が多発していることを受け、警告を出した。Contiは数百件に及ぶマルウェア感染の源になっている。特に標的にされているのが病院やヘルスケア関連の企業だ。
併せて読みたいお薦め記事
ランサムウェア「Conti」は注目を集めている
ランサムウェアからシステムを守るには
欧州でも攻撃が多発、システム停止が長引く可能性も
FBIは、2020年に行政機関や救急医療サービス、通信指令センターなどを標的とした16件のConti攻撃を特定した。全世界では400組織以上がContiの攻撃を受け、そのうち290組織以上が米国に拠点を置いているという。
こうしたFBIが示す数字は、報告があった攻撃のみを対象にしているため、実際の数はさらに多い可能性がある。攻撃を当局に報告せず、身代金を支払ったり独自にシステムを復旧したりする組織も数多くあると考えられる。
欧州でContiの攻撃が多発していることも、FBIが警告を出した背景にある。欧州ではContiへの感染によってシステム停止が長引くインシデントが発生している。2021年5月中旬に、アイルランドの公的医療機関がContiによる攻撃を受け、システム復旧に時間がかかった。
ごくありふれた手口を利用するContiの攻撃
FBIの警告によると、Contiによる攻撃の大半は遠隔にあるコンピュータのデスクトップを操作するための通信プロトコル「RDP」(リモートデスクトッププロトコル)や、文書作成ソフトウェア「Microsoft Word」のマクロ(作業自動化機能)を悪用している。
Contiの攻撃は、悪意のあるプログラムを侵入させ、コマンドラインツール「PowerShell」のスクリプトを実行して、ペネトレーションテストツール「Cobalt Strike」を起動させる。これによって攻撃者は遠隔で感染したコンピュータとネットワークにアクセスできるようになる。攻撃者はネットワーク内をひそかに移動し、暗号化する情報を探し、ランサムウェアに感染させる。攻撃者はネットワーク内に数日から数週間滞留する。
データが暗号化されると、システム管理者に身代金の要求が届く。FBIによると、2日から8日以内に身代金の要求額を暗号通貨(仮想通貨)で支払わない場合、攻撃者は一度しか使用できないVoIP(Voice over IP)サービスのアカウントや、暗号化によって送信者の身元を特定できない電子メールサービス「ProtonMail」を介して被害者に連絡をする。攻撃者は支払金額の減額について被害者と交渉することもあるという。
FBIによると、Contiはネットワークのポート番号「80」「443」「8080」「8443」を使って攻撃者側のサーバと通信する。攻撃の間は一貫してポート番号「53」を使う。FBIは、攻撃者がオンラインストレージ「MEGA」や「pCloud」に窃取したファイルをアップロードしていることも確認したという。
システム管理者は、次のような点を調べることで攻撃があったかどうかを把握できる。突然新しいアカウントが作成されていたり、攻撃者が偵察時に使うシステム管理ツール「Windows Sysinternals」がインストールされていたりする場合、攻撃を受けている可能性がある。マルウェア対策ソフトウェアやネットワーク監視ツールが突然無効になっていることも、攻撃を発見するためのポイントになる。
TechTarget発 世界のITニュース
新製品・新サービスや調査結果、セキュリティインシデントなど、米国TechTargetが発信する世界のITニュースをタイムリーにお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のITニュース
新製品・新サービスや調査結果、セキュリティインシデントなど、米国TechTargetが発信する世界のITニュースをタイムリーにお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社ラクス] どうすれば「変革を楽しむ組織」になれるのか? 事例に学ぶ、未来への一歩 -
製品レビュー
[デル・テクノロジーズ株式会社] 変化するサイバー脅威に備える、これからのストレージの選び方 -
事例
[サイボウズ株式会社] 受注約1.5倍と年間2万3000時間超の業務時間を削減、日機装に学ぶDX実践術 -
製品レビュー
[サイボウズ株式会社] 人材不足にどう挑む? ものづくり太郎が語る、製造現場でのAI活用成功の鍵 -
市場調査・トレンド
[グーグル・クラウド・ジャパン合同会社] 金融機関はAIエージェント導入でどう変わる? 7つの変化から19の事例まで解説
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
RAGで「データをAIに送る」運用が限界を迎えている理由
-
2
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
3
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
4
セキュリティ担当者“試練の1週間” 「PHP」脆弱性と認証局の失態が同時発生
-
5
なぜストレージ不足は長引くのか? 77%が「12〜18カ月続く」と予測
-
6
ハイパーコンバージドインフラ徹底比較、「SimpliVity」「Nutanix」はどう違う?
-
7
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
8
「Copilot」がIT予算を食いつぶす? 高額請求を招く課金体系と節約術
-
9
【基本情報技術者試験】データ消失リスクを防ぐ3つの「バックアップ手法」を比較
-
10
複雑化するフォント管理に終止符を Monotypeが提唱する安全な運用方法
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
2
侵入から横展開まで27秒の脅威にどう立ち向かう? 防御のカギがEDRの理由
-
3
有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
6
なぜAIは組織で定着しないのか? 全社展開を阻む「3つの壁」と突破のヒント
-
7
パスワードレスへの移行で失敗しないためには? 導入・運用上の注意点を解説
-
8
自社のセキュリティ対策は大丈夫? 自己診断リストで対策の優先順位が分かる
-
9
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー