パッチ適用が難しい6つの理由【第1回】

企業が「パッチ」を適用しない理由と、“脆弱性放置企業”を責められない理由

パッチの重要性を理解している企業の全てが、パッチを十分に適用できているわけではない。リスクがあるにもかかわらず、パッチ未適用のIT製品は至る所にある。それはなぜか。

 グレッグ・スコット氏はRed Hatでサイバーセキュリティ専門家として働いている。かつて独立系ITコンサルタントだったスコット氏は、顧客の法律事務所のネットワークに新しいユーザーアカウントを追加していた。そこで、その顧客が管理する「Windows Server」サーバの自動更新が、数カ月にわたって失敗していたことに気付く。未適用のパッチが山のように存在し、しかも増え続けていた。

 スコット氏はその顧客の同意を得て、原因を調査することにした。8時間に及ぶ調査の結果、元凶はフォントファイル内の小さな、だが影響の大きな競合状態であることが分かった。「私はそれを修正し、Windows Serverにパッチを適用した。皆喜んでくれた」と同氏は振り返る。ただし「かかった時間分の料金を私が請求するまでは」(同氏)。

 顧客は憤慨した。自分たちが分かる範囲では問題なく動いていたWindows Serverの修正に、かなりの金額を支払うことになったからだ。スコット氏によると、この顧客との関係は修復不能になった。「困ったことに、いまだに大企業には、こうした近視眼的な考え方が残っている」と同氏は語る。「パッチを適用すると時間とコストがかかり、システムが不安定になる」という考えの下、「壊れていなければ修正しない」と判断する大企業は少なくない。

企業が「パッチ」を適用しない“複雑な理由”

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