「準仮想化」を理解するためのポイント【前編】
いまさら聞けない「準仮想化」と「完全仮想化」の違いとは? 特徴を比較
準仮想化は完全仮想化にはないメリットをIT管理者にもたらす。準仮想化と完全仮想化はどう違うのか。それぞれの基本的な特徴を説明する。
仮想化技術の「準仮想化」(Para Virtualization)は、容易なバックアップやシステムの高速移行、インフラの利用効率の向上、電力節約など、一般的な仮想化技術である「完全仮想化」にはないメリットをIT管理者にもたらす。ただしシステムのデータ転送速度を予測できなかったり、ハードウェア互換性に問題が生じたりするといった特有の課題がある。
準仮想化は仮想化のオーバーヘッドを最小限に抑えることで、管理者が仮想マシン(VM)を十分に活用できるようにする。準仮想化を採用するに当たっては、この技術を正しく理解する必要がある。本稿は準仮想化と完全仮想化の違いを説明する。
いまさら聞けない準仮想化と完全仮想化の違い
完全仮想化は、ハイパーバイザーがゲストOSを丸ごと抽象化する。そのためゲストOSはハイパーバイザーの存在を認識しない。基本的に一つ一つのVMとそのゲストOSは、それぞれ別のPCであるかのように動作する。
これにより管理者は複数のゲストOSを利用したり、最新バージョンのゲストOSと古いゲストOSを同時に稼働させたりできる。ただし完全仮想化はハイパーバイザーが実行するハードウェアエミュレーションに依存するため、データ処理速度が低下したり、動作に問題が生じたりする恐れがある。
完全仮想化のこうした問題点を補うのが準仮想化だ。例えば準仮想化はゲストOSがハイパーバイザーの存在を認識する。これによりゲストOSだけでは制御が難しい複雑な処理をハイパーバイザーで実行可能にする。その結果、データ処理速度と物理インフラの利用率が向上し、データのバックアップや移行、電力消費も効率化できる。
準仮想化では、管理者がハイパーバイザーに合わせてゲストOSの設定を変更する必要があり、この点がゲストOSの選択肢を大きく狭める可能性がある。ハイパーバイザーとOSとの依存関係が生まれるため、後から互換性の問題が生じることもある。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ファインディ株式会社] AI利用率だけでは説明できない成果 開発組織の競争力を生む「開発資本」とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] AI活用を成功へ導く、シンプルで費用対効果に優れたクラウド基盤とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] マネージドKubernetesには限界も――メリットをフル活用する新たな選択肢とは? -
技術文書・技術解説
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 決断の日が迫る「vSphere 8」サポート終了問題 考慮すべきリスクと選択肢は? -
製品資料
[サイバーソリューションズ株式会社] メール誤送信対策のルールが肥大化 苦しむ情シスはどうすれば救われるのか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
3
kintoneで実践 製造業のための「見積もり管理」改善のヒント
-
4
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
5
Copilot導入で陥る“目的化”の落とし穴 定着の鍵は「作り込まない」こと
-
6
祝10周年! 創業者も予想できなかったRaspberry Pi活用例
-
7
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
8
鉄道とIT、老舗企業はスマホアプリでいかに息を吹き返したか
-
9
事業計画と製販計画の連携力を高める需要管理システム「Oracle Demantra」
-
10
「VMware旧ライセンス」ユーザーに届いた“最後通告”が波紋を呼ぶ
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
8
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
9
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
10
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー