銀行のクラウド移行に残る課題【前編】

「合併を繰り返した銀行」がクラウドを避けたがる本当の理由

金融機関にはクラウドサービスの導入を妨げる特有の事情がある。金融機関のクラウドサービス活用の状況と、クラウドサービスの導入を妨げる障壁とは。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大する中で、アジア太平洋地域の銀行や金融サービス企業は、クラウドサービスの利用をますます進めている。その目的は人工知能(AI)技術といった技術やデータを生かし、ビジネスを変革することにある――。これはアジア太平洋地域のクラウドサービス業界団体Asia Cloud Computing Association(ACCA)が公開した調査結果だ。

 アジア太平洋地域の金融サービス業界のクラウドサービス導入状況に関する調査報告書「ACCA Better on the Cloud: Financial Services in Asia Pacific 2021」でACCAは、金融サービス業界は「クラウドサービス移行によって急速なイノベーションを実現する時期が来ている」と主張する。「金融機関は顧客応対とオフィス業務の両方をデジタル化するためのITスキルを付けつつある」と同団体は指摘。従業員と顧客の両方がデジタル化による取引や事務などの業務効率の向上を実感していることから、デジタル化の急速な進行が「ニューノーマル」になると予測する。

合併を繰り返した金融機関のクラウド移行が難しい“あの問題”

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