「Copilot+ PC」は市場を動かすか【後編】
結局「Copilot+ PC」で何ができる? Microsoftの“新AI PC”向け機能群
Microsoftの「Copilot+ PC」は画期的な機能を複数搭載しており、新たな「AI PC」としてPC市場を動かす可能性がある。Copilot+ PCで何ができるのか。その革新性の陰にはある懸念も潜んでいる。
Microsoftは2024年5月、AI(人工知能)分野において大きな動きを見せた。それが、AI技術関連のタスク(AIワークロード)の処理能力を向上させるPCブランド「Copilot+ PC」の発表だ。
Copilot+ PCはAIワークロードの処理に最適化されたNPU(Neural Processing Unit)とQualcomm製の「Armアーキテクチャ」採用プロセッサを搭載するSoC(システムオンチップ)「Snapdragon X Elite」など、一定の要件を満たすSoCを搭載する。こうした要件は、それまで曖昧だった「AI PC」に1つの定義を与えることになった。
企業でのAI PCの普及には、さまざまな用途で役立つ機能が必要だ。実際のところCopilot+ PCを使うと何ができるようになるのか。使用時の懸念はあるのか。そうした疑問への答えを見ていこう。
結局「Copilot+ PC」で何ができるのか?
併せて読みたいお薦め記事
連載:「Copilot+ PC」は市場を動かすか
Copiilot+ PCはどうなる?
MicrosoftはCopilot+ PCの発表とともに、Copilot+ PCで利用可能になる機能として以下を挙げた。
- Restyle Image
- 画風や画像スタイルを変化させたり、画像中の背景や前景を変化させたりできる機能。
- 視覚的に楽しいだけではなく、コンテンツ作成にも役立つ。
- Cocreator
- ラフスケッチやテキストベースの指示を基に、グラフィックやアートを生成する機能。
- コンテンツ作成を支援する。
- Recall
- PCの画面を5秒ごとにキャプチャーしてタイムラインに保存することで、エンドユーザーが過去に見たコンテンツを素早く検索し、再びアクセスできるようにする機能。
- ライブキャプション
- リアルタイムで40種以上の言語を英語に翻訳できる、自動音声書き起こし機能。
- Windows Studio Effects
- オーディオやビデオカメラに特殊効果を与える機能。
その他にも、Copilot+ PCのNPUは以下のアプリケーションを強化する。
- Cephable
- ビデオカメラで人の表情やジェスチャーを捉え、それらに基づいて特定の操作を実行するアプリケーション。
- Adobe Creative Cloud
- Adobeが提供するクリエイター向けサブスクリプションサービス群。
- 「Photoshop」「Lightroom」などのアプリケーションがCopilot+ PC用に最適化される。
- DaVinci Resolve
- Blackmagic Designが提供する映像編集アプリケーション。
Recallへの懸念
このうちRecallについては、検索機能を修正するWindowsの取り組みは評価できる。だがキャプチャーしたデータの扱い方やセキュリティについては、追加の情報が必要だ。Microsoftによると、Recallに関するデータは全てローカルストレージに保存される。それはセキュリティ面では一定の評価はできるが、そうしたデータはどの程度隔離されているのか。例えばPCが侵害された場合、攻撃者がそのデータを閲覧できる可能性はあるのか。マルウェアはRecall関連のデータや情報にどの程度アクセスできるのか。
Recallのセキュリティ面については、画面キャプチャーを一定時間オフにしたり、特定のWebサイトでRecallが機能するのを許可しないようにすることはできる。一方で、例えば以下の問題が考えられる。
- Recallはエンドユーザーやその人の勤務先のリスクをどの程度拡大するのか
- IT運用やセキュリティの観点から見て、Recallをどのように設定すべきか
- 勤務先から運用の許可を得るために手間がかかる可能性がある。
- Recallは機密データとそうではないデータを区別できるのか
デバイスの技術的進歩や市場活動は近年活発化している。今後オンプレミスのWindowsアプリケーションに関する活動が盛んになることによって、新たな形で市場に影響が生じる可能性がある。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[アイティメディア広告企画] 「会計ソフト」6製品を徹底比較 22の選定ポイントをユーザー評価を基に分析 -
比較資料
[アイティメディア広告企画] ERP選定ガイド:ユーザーレビューを基に機能・利便性・満足度を徹底比較 -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 複雑化するKubernetes運用、VMとコンテナの二重管理を解消する方法は? -
製品資料
[Splunk Services Japan合同会社] 障害原因の特定になぜ時間がかかるのか? IT運用の課題を解決する新たな方策 -
製品資料
[Splunk Services Japan合同会社] サイバー脅威「トップ50」完全解説ガイド、新たな攻撃手法に対抗するには
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
2
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
3
IT業界の女性は9割が10年で消える 人材枯渇を招く“見えない壁”の正体
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
5
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
6
ライオンが挑む「守りのIT」脱却:Google Cloudで加速させるデータ駆動型経営
-
7
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
8
VMware離れの現実解 2500台のVM移行に挑む製造大手の全記録
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
ChatGPTの「GPT」とは? 仕組みや用途など“ChatGPTの基本”を解説
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
6
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
7
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー