ネットワーク管理者を悩ませるライセンス問題【後編】
ネットワーク製品を「サブスクで買う」なら気を付けたい“3つのポイント”
ネットワーク管理者は製品やサービスのサブスクリプション型ライセンスで購入する場合の管理方法や予算の考え方に慣れる必要がある。3つのポイントを解説する。
近年、ネットワークの製品やサービスを提供するベンダーは、ライセンス形態として買い切り型だけでなくサブスクリプション型を提供するようになった。ライセンス形態の変化に対して、企業のネットワーク担当者はどのような点を理解しておくべきなのか。3つのポイントを解説する。
1.コントロールプレーンとデータプレーンの分離
併せて読みたいお薦め記事
連載:ネットワーク管理者を悩ませるライセンス問題
ユーザーを悩ませるライセンス問題
サブスクリプション型のライセンスを提供しているネットワーク機器ベンダーは、コントロールプレーン(制御機能)とデータプレーン(データの転送を行う部分)を別々に提供している場合がある。従来はルーターやスイッチといった1つのネットワーク機器にコントロールプレーンとデータプレーンが統合されていたが、「SDN」(ソフトウェア定義ネットワーク)によって両者を分離して提供するベンダーが出ている。
ネットワーク機器のベンダーおよびハードウェアを選ぶ際は以下の点を確認する必要がある。
- 検討しているライセンスがネットワークの需要の変動にどれだけ対応できるか
- 仮想化したネットワーク機器をどの程度まで制御できるか
- 既存のネットワークインフラに与える影響にどう対処するか
2.ネットワーク機能の仮想化の理解
仮想化されたロードバランシング、スイッチング、ルーティングなど各機能の統合方法を学ぶことが重要だ。物理的な装置で構成されたネットワークと、仮想化されてクラウドサービスで利用できるネットワークの統合についても理解する必要がある。
複数の機能を統合することで、各機能のライセンスを個別に購入する必要がなくなる。適切な統合計画を立てることで、不要なライセンスを削減してコストを削減できる可能性がある。
3.CAPEXとOPEXによる予算管理の違いを認識する
ネットワークの製品やサービスをサブスクリプション型のライセンスで購入すると、予算は設備投資(CAPEX)型から運用経費(OPEX)型に変わる 。
CAPEX型の場合、製品やサービスを購入後に一定期間かけて減価償却しつつ、アップデートのタイミングで発生する追加費用を管理する必要がある。OPEX型の場合は費用が発生するたびに予算を計上する。利用状況に応じて月次で請求される可能性がある。
OPEXへの移行
サブスクリプション型ライセンス導入により、CAPEX型からOPEX型への移行が必要になる。経理チームは、OPEX型に適応する準備が必要だ。
物理的なネットワークとクラウドベースのネットワーク機能の統合が進む中で、ネットワーク管理ソフトウェアのライセンスに変化が起きている。ネットワーク管理ソフトウェアを提供するベンダーはクラウドサービスベンダーと同様の指標でライセンスを設定するようになった。例えば開発者が他者や他の部門に依頼することなく、必要なツールやインフラを入手できる「セルフサービス」の仕組みが用意されている。
ネットワーク担当者はハードウェアの購入方法について再考が必要になる可能性がある 。今後は以下の変化が起きる可能性があるからだ。
- データプレーン機能を単体で購入できるようになる
- サブスクリプション型ライセンスで購入したネットワーク管理ソフトウェアが、コントロールプレーン機能を提供する
組織はサブスクリプション型ライセンスのコストを、適切に管理する方法を学ぶ必要がある。
現状の確認と将来の方向性を確立する
ネットワーク担当者はサブスクリプション型ライセンスの導入によって発生する変化に慣れることが大切だ。加えて、財務的な課題に取り組む前に、現在および将来のネットワーク要件を慎重に検討する必要がある。
まず、ネットワークの現状を把握する必要がある。具体的には以下のポイントを確認する。
- ネットワーク内にどのデバイスが存在し、SDNによって監視できるかを確認する
- 現在のネットワークトポロジー(構成)がどのようになっているか
- クラウドインフラのネットワークを監査する
- クラウドインフラに急速に移行した場合、不要なネットワークが存在している可能性がある。ベストプラクティスを参考に、再設計を検討する。
次に、組織とネットワークの方向性を計画する。オンプレミスの物理的なネットワークとクラウドベースのネットワークを統合した「ハイブリッドネットワーク」を検討するべきだ。以下の点を確認しながら組織の現状と目指すべき目標を明確にする必要がある。
- 新しく導入するアプリケーションがネットワークに与える影響
- セキュリティ面の懸念
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソミック石川に学ぶ、ICT浸透後に直面した「工数管理」の課題と解決策
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
2
膨らむAIコストに歯止め GitHubのマルチモデルルーターは何が違うのか
-
3
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
5
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
6
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
9
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
10
Anthropicが明かす AIは入力データを「どこまで覚えているのか」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
9
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
10
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー