ネットワークを作る8つのデバイス【前編】
いまさら聞けない「アクセスポイント」「ブリッジ」「ゲートウェイ」とは
企業のネットワークは、複数のネットワークデバイスによって作られる。企業のネットワークを構成するのに欠かせないネットワークデバイスを基礎から紹介する。
日常や仕事で何気なく使われているネットワークだが、インターネットへの接続ではさまざまなネットワークデバイスが活躍している。ネットワークで一般的に使われる8つのデバイスのうち、本稿は「アクセスポイント」「ブリッジ」「ゲートウェイ」について解説する。
1.アクセスポイント
アクセスポイント(AP)は無線LAN(Wi-Fi)において、スマートフォンやノートPCなどのクライアントデバイスと有線ネットワーク(LAN)を接続するためのデバイスだ。ノートPCやスマートフォンなどのクライアントデバイスは、無線信号を利用してAPに接続することで、そのAPによって構築される無線LANに参加できる。イーサネットケーブル(LANケーブル)を使ってAPを有線LANのルーターやスイッチに物理的に接続すると、APからインターネットや他のネットワークにアクセス可能になる。
APを設置するに当たって、ネットワーク担当者は、信号強度に影響する可能性がある要因として設置場所や減衰、チャネル(データ送受信用の周波数帯)内での干渉などを考慮しなければならない。APを天井や壁に設置して、受信域を広げると同時に障害物の影響を抑えるのが一般的だ。
APはOSI参照モデルの第2層(データリンク層)で動作する。
2.ブリッジ
ブリッジは、2つ以上のLANを相互接続して、それらの間でデータを転送するデバイスだ。ブリッジはOSI参照モデルの第2層(データリンク層)で動作して「MACアドレス」(MAC:メディアアクセス制御)を識別する。ルーターも複数のネットワーク間を相互接続するデバイスだが、ルーターはOSI参照モデルの第3層(ネットワーク層)で動作して「IPアドレス」を識別する。ブリッジは同一ネットワーク内のセグメント間での接続であり、ルーターは異なるネットワークのセグメント間での接続となる。
ブリッジはMACアドレスを調べることでフレーム(イーサネットでやりとりするデータの最小単位)を転送する。ブリッジは、受信するフレームごとにMACアドレスとポート番号のルックアップテーブル(対応表)を構築する。ブリッジはルックアップテーブルを参照して、それに従ってフレームを転送するか、フレームを破棄するかを決定する。フレームは、MACアドレスがブリッジのドメイン内に存在しない場合に破棄される。
ブリッジには種類がある。トランスペアレントブリッジは同じプロトコルを利用するLAN同士を相互接続する。例えばイーサネットはイーサネット、光ファイバーを利用したLAN規格の「FDDI」(Fiber-Distributed Data Interface)とFDDIといった具合だ。変換ブリッジは異なるプロトコルを利用するLAN同士をつなげる。
近年、企業ネットワークではブリッジは使われない傾向にあり、通常はスイッチにブリッジ機能が内包されている
3.ゲートウェイ
ゲートウェイとは、異なるプロトコルによる通信を中継する仕組みや機器の総称だ。ゲートウェイの種類には以下のようなものがある。
- ルーター
- Webアプリケーションファイアウォール(WAF)
- メールセキュリティゲートウェイ
ゲートウェイ機器は複数のプロトコルに準拠しており、受信したパケット(ネットワークを流れる分割されたデータ)を分析して必要に応じてプロトコルを変換することで、受信元と送信先の互換性を確保する。
ゲートウェイは複数のIoT(モノのインターネット)機器との通信のハブになる他、クラウドインフラでも頻繁に使用される。ゲートウェイには幅広い機器が該当するため、OSIの全ての階層で存在する。
次回はハブとモデム、リピーターについて解説する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
「身代金を支払う」以外のランサムウェア対策は本当にあるのか?
-
6
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
7
肥大化した「SFA」の沼 4カ月でBigQuery×AppSheetの新システムを構築した方法
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
ネットワールド、ICカード認証対応のシンクライアント構築アプライアンスを販売
-
10
次世代RPA「ハイパーオートメーション」が急成長か Gartnerが予測
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
4
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
10
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー