ユーザー企業が強いられる“代償”

SAPに“生殺与奪の権”を握られてはいけない──ERP専門家の提言とは?

クラウド型ERPへの移行を推進するSAPの取り組みは、一部のユーザー企業に恩恵をもたらす一方、“代償”を強いているとERP専門家の筆者は指摘する。何が問題なのか。

 本記事は、調査会社Freeform DynamicsのCEO兼アナリストを務めるデイル・バイル氏が執筆した寄稿を基にしたものだ。バイル氏はERPベンダーSAP、ソフトウェアベンダーSybase、通信・ネットワーク事業者Nortel Networksなどに務めた経歴を持つ。

 1990年代後半、SAPに勤務していた筆者は「ユーザー企業はERP(統合基幹業務システム)を常に最新のバージョンに保つべきだ」と信じていた。最新機能を利用できること、ベンダーから継続的なサポートを受けられること、将来的にアップグレードが必要になっても焦らなくて済むことなどが理由だ。

 一部のユーザー企業はこうした考え方を受け入れ、新しいバージョンが発表されたタイミングで移行したり、自社にとって適切なタイミングで移行したりしていた。一方、絶対に必要になるまで移行を拒み続けるユーザー企業もあった。移行するには業務を止めなければならず、コストやリスクも発生するため、「価値が見合わない」と判断したユーザー企業は現状維持を選んだ。

SAPがユーザー企業に強いる“代償”とは?

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