メールをセキュリティの弱点にしない【前編】
パスワードに“複雑さ”は不要だった? メールセキュリティの基本的な対策5選
安全にメールを使う上で、メールのセキュリティ対策は欠かせない。一方、対策は多岐にわたる。基本のセキュリティ対策を5つ紹介する。
「強力なパスワードを使う」「スパムメールを受信したら送信元をブロックする」といった基本的な対策を徹底しても、メールがセキュリティの弱点となっている状況はどの組織でも変わらない。それはなぜか。本稿はメールセキュリティを強化するための対策を5個紹介する。
メールセキュリティ強化のために“まずやるべきこと”5選
1.従業員教育を遂行する
定期的に、従業員のセキュリティ意識を高めるための研修を実施する。企業のセキュリティポリシーや、組織を安全に保つための従業員の役割、サイバー攻撃で想定される脅威や被害、被害に遭った場合に取るべき行動について、従業員が学べるようにする。
2.強力なパスワードを作成する
パスワードに関する考え方は変化している。従来は「}m}{4p#P@R9w」のように大文字や小文字、記号を使った複雑なパスワードを作ることが推奨されたこともあった。しかし従業員がそのパスワードを付せんに書き留めたり、PCの安全ではないファイルに保存したりして、かえって情報漏えいにつながる恐れがある。
米国立標準技術研究所(NIST)によると、パスワードの強度を高めるには、複雑さではなく長さが重要だ。「_kittEnsarEadorablE_」といったパスフレーズ(複数の単語やフレーズをつなげた認証情報)は、覚えやすく推測されにくい。辞書に載っている単語をパスワードの推測に利用する「辞書攻撃」から身を守る際にも有効とされる。
デジタルマーケティング企業Centerfield Media Company傘下でセキュリティに関する情報を提供するSecurity.orgは、エンドユーザーがパスワードの強度を確認できるツールを提供している。筆者がこのツールを試したところ、「_kittEnsarEadorablE_」は解読に2兆年かかると表示された。
従業員が適切なパスワードを作成できるように、パスワードに関する企業ポリシーを策定することも一考だ。
3.パスワードの使い回しを禁止する
パスワードの使い回しはセキュリティ上のリスクだ。攻撃者があるアカウントの認証情報を入手すると、その認証情報を使用している他のアカウントにも容易にアクセスできる。特に、業務用のアカウントと私用のアカウントで同じ認証情報を使用することは危険だ。
従業員には、強力でユニークなパスワードをアカウントごとに使い分けるように促す。幾つもの認証情報を利用する従業員は、シングルサインオン(SSO)やパスワードマネジャーを使えば負担を軽減できる。
4.パスワードの定期的な変更を再検討する
パスワードは90日ごとに変更するのが標準とされていた。しかし、この方法では従業員がストレスを感じ、安全性の低いパスワードに書き換える恐れがある。「Password1」を90日後に「Password2」にするといった具合だ。
NISTは、不正アクセスやデータ漏えいの疑いがある場合を除き、従業員に定期的なパスワードの変更を強制しないよう推奨している。ただし、クレジットカード情報を保護するためのセキュリティ基準「PCI DSS」といった特定の規制を順守する場合、パスワードの頻繁な変更が必要だ。
5.多要素認証(MFA)を使う
従業員の本人確認に複数の方法を組み合わせるのがMFAだ。例えば、ユーザー名とパスワードに加えて、ワンタイムパスワードや指紋などの生体認証を併用する。認証プロセスに第二、第三の要素を追加することで、ブルートフォース(総当たり)攻撃やパスワードクラッキング(パスワードを探り当てること)の被害を防ぐことが可能だ。
次回も引き続き、メールセキュリティを向上させるための取り組みを紹介する。
TechTarget.AIとは
TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国Informa TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
TechTarget.AI
TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] クラウドネイティブ戦略ガイド:8つの主要課題と解決策を解説 -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] プラットフォーム技術者のための「クラウドネイティブ」プレイブック -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] ハイブリッドクラウドでハードウェア価格高騰のリスクを回避する方法 -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] AI時代に必要なインフラモダナイゼーションの考え方とは? -
製品レビュー
[Dropbox Japan株式会社] ランサムウェア対策で見直したい「復旧できるファイル基盤」とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
鹿島建設のDXを阻む「10年前のAWS」 安全性と自由度を両立したモダナイズ
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
7
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
8
経営幹部が期待を膨らませる「AIエージェント」は何に使えるのか? 活用例5選
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
「野良Excelマクロ」に悩むSMBC日興証券が導き出した内製化の“現実解”
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
3
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
8
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー