市場の乱高下がIT予算に与える影響【前編】

レアアース高騰が直撃 サーバ調達を頓挫させる「予算崩壊」の足音

レアアースの高騰や暗号資産の暴落など、市場の激しい価格変動がハードウェアの供給網を揺さぶっている。予測不能な事態において、CIOが直面する“板挟み”の正体とは。

 ITインフラの計画立案において、これまで価格の不確実性をある程度許容することは必要だった。しかし、2026年前半の不確実性は、大半の企業がこれまで経験したことのない領域に達している。

 2026年に入り、ハードウェアのサプライチェーンの裏側では、極端かつ相反する価格変動が同時に進行している。暗号資産であるビットコインの価格は下落し、同年2月には7万ドルを割り込んだ。銀の価格は同年1月30日から31日(米国東部時間)にかけて約31%下落し、1日の下落幅としては1980年以来の記録となった。金の価格も急落する一方で、ネオジムのようなレアアースの価格は2025年から2026年の1年間で約88%上昇し、重希土類であるジスプロシウムに至っては2026年1月から2月の間で105%も急騰した。

 ハードウェアの予算を編成したり、ベンダーの安定性を評価したりするIT部門にとって、こうした相反する値動きは計画を立てる上での根本的な課題になる。予算超過の危機はもちろん、利益率の悪化に耐え切れなくなった下流の製造業者やサプライヤーが突然倒産し、進行中のプロジェクトが完全にストップする「供給断絶」の恐怖がすぐそこまで迫っている。ITインフラを支える原材料の価格が、それぞれ全く異なる要因で変動しているため、従来の手法による予測は当てにならない。

相反する価格変動が招く「絶望的な板挟み」

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