「帳票デザインを変えないで」にクラウド帳票で対応

スクウェア・エニックスはSAPの「アドオン地獄」をどう回避したか

基幹システム刷新時、IT部門が直面するのが現場の「今の帳票レイアウトを変えないで」という要望だ。これに安易に妥協すればアドオン開発の温床となる。スクウェア・エニックスが下した現実的な決断とは。

 ERP(統合基幹業務システム)などの基幹システム刷新プロジェクトにおいて、IT部門を悩ませる“見えない壁”がある。それは、業務現場からの「新しいシステムになっても、現在使っている帳票と全く同じレイアウトを維持してほしい」という要望だ。

 日本企業特有のビジネス習慣として、見積書や請求書といった業務帳票には、枠線の太さや位置、文字間隔など、細かいデザイン精度が求められることがある。しかし、このこだわりに寄り添い、海外製ERPに無理な追加開発を重ねれば、膨大な開発、保守費用を生み、将来のバージョンアップを阻害する「技術的負債」を抱え込むことになる。

 総合エンターテインメント事業を展開するスクウェア・エニックスは、今後10年の成長を支える経営基盤として、会計などのコア業務を担う基幹システムをクラウドERP「SAP S/4HANA」に刷新した。同時に、現場ユーザーの利便性が求められる稟議(りんぎ)や購買などのワークフロー業務については、業務プロセス自動化サービス「Pega Platform」に集約する大規模プロジェクトを実施した。これらのシステム移行に伴い、同社も例外なく日本特有の「帳票要件」という課題に直面することになった。

 SAP S/4HANAやPega Platformがクラウドサービスであることから、スクウェア・エニックスはシステム全体の一貫性を保つために帳票システムのクラウド化に踏み切った。「現行の帳票と全く同じものを出し続けたい」という現場の要望に対し、どのようなクラウドツールを選定し、システム標準を一元化したのか。

「ミリ単位の調整」がもたらす負債とシステム統一のジレンマ

印刷する
SNSでシェア

この記事の著者

関連記事

こんなメディアも見られています

TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

無料会員登録
最新情報をいち早くチェック!

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます(メディアごとに文章は変更)

いますぐ無料会員登録

ベンダーコンテンツ PR

From Informa TechTarget

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ホワイトペーパーランキング PR

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

TechTargetジャパン SNS

X @techtarget_itmをフォロー

インフォメーション

TechTargetジャパンをフォロー