3万CPUコアを食いつぶした「意外な原因」

OpenAIの“限界インフラ”を救ったのはわずか1行の設定変更だった

OpenAIのシステムにおいて、CPUの処理能力が限界に達し、深刻なログ欠落の危機が発生した。原因はログ収集ツールが引き起こした大量のシステムコールだ。何によって引き起こされ、どう解消できたのか。

 AI(人工知能)技術の進化が加速する中、大規模言語モデル(LLM)を支えるコンピューティングリソースの確保は企業の喫緊の課題となっている。「ChatGPT」を開発するOpenAIは、1日当たり9P(ペタ)Bを超える膨大なログを処理しており、AI技術の開発や本番稼働の推論において、限られたCPUの効率的な活用が求められていた。

 OpenAIのインフラは、コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」で稼働しており、各サーバではさまざまなシステムからデータを集約して転送するツール「Fluent Bit」などのアプリケーションが動作している。事業の急成長に伴ってログ量が爆発的に増加した結果、一部のワークロードでログを1行ずつ頻繁に書き込む動作がトリガーとなり、ホストマシンのCPU処理能力が限界に達した。その結果としてログの欠落が発生した。

 AI技術の開発においてログの欠落は許容されない。しかし、インフラはすでに容量の限界を迎えており、CPUの追加割り当ても困難な状況だった。この課題に対し、OpenAIはFluent BitのCPU使用率を50%削減し、3万のCPUコアを推論などの用途に振り向けることに成功した。

 膨大なコンピューティングリソース消費の真の原因は、意外な動作に潜んでいた。

システムコールの嵐を引き起こした原因

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