気付いたら責任者がいない状態に

SlackやSalesforceで「名ばかりの担当者」が増殖? 説明責任が消滅する理由

基幹システムやコラボレーションツールの活用は業務効率を上げる一方、「システム上は終わっている」という思い込みを植え付ける。その結果、誰も結果に責任を持たない状況が生まれてしまう。負の連鎖を止めるには。

 ハイブリッドワークは従業員の勤務場所で定義するものではない。どのように業務をこなし、誰が責任を持ち、問題が発生したときにどう対処するかを決める運用モデルだ。企業はこのうち最初の観点については慎重に判断するが、残りの2つは放置しがちだ。その結果、日々の業務やプロジェクトの成否に対する説明責任が曖昧なままになっている。

 ログ分析システムベンダーSplunkでAI(人工知能)技術の元プロダクトマネジャーであるサヤリ・パティル氏は、次のように指摘する。「オフィス内外のメンバーが混在する分散型の企業で最も目立つのは、担当の曖昧さだ。これは経営層が割り当てた仕事と、システム上の記録の間にあるずれが原因で生じる」

 この状況の放置は危険だが、そうなってしまう背景は理解できる。システムはあくまで、「ある処理が終わったら次の工程にタスクを送る」といった作業の手順を機械的にリレーするために設計されているだけで、その業務の最終的な結果に責任を持つ「真のオーナー」を指名する仕組みにはなっていないからだ。

 企業が利用しているCRM(顧客関係管理)システムやERP(統合基幹業務)パッケージ、コラボレーションツールなどのソフトウェアは設計上、事業部門や地域、企業の壁を越えて機能するように設計されている。しかし、システム上で部署間が「つながっている」状態は、単にデータがやりとりされているだけであり、その業務の境界線において人間が明確な「説明責任」を引き受けていることを意味するわけではない。ハイブリッドワークの運用モデルでは、この2つの違いによってリスクが蓄積し、監査証跡が薄れ、「誰が成果の責任を持つのか」という問いに対する明確な答えが失われてしまう。

 この「名ばかりの連携」が引き起こす説明責任の欠如は、ある日突然、大きな破綻を招くわけではない。現場の至る所で静かに進行し、経営層が気付かないうちに企業をむしばんでいく。以下では現場に表れる危険な「兆候」、失われた「当事者意識と実行責任」を取り戻すための具体的な解決策を明らかにする。

問題の兆候を見抜くには

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