事業部門とIT部門の溝を埋める

東急の大規模開発を救った「非技術者にも定着する」プロジェクト管理手法とは?

大規模なシステム開発において、事業部門とIT部門のITリテラシーの差は、認識のずれや手戻りの原因になる。表計算ソフトウェアやメールによる旧来の進捗管理に限界を感じた東急は、この分断の溝をどう埋めたのか。

 企業にとって、使い続けてきたレガシーシステムの刷新は極めて難易度が高い。東急グループ共通のポイントサービス「TOKYU POINT」は、約250万人(2026年4月時点)の会員を抱える巨大なサービスだ。その裏側では約20年に及ぶ運用の中でシステムの老朽化が進み、市場の変化に対する機動力が低下していた。

 この課題を解消するため、東急は2023年に大規模なシステム刷新プロジェクトを始動した。このプロジェクトは関連するシステムが約20件に及び、自社の内製開発部門だけでなく、複数のグループ会社や外部パートナーから総勢150人が参加するという極めて複雑な座組みだった。過去には同様の試みが、情報共有の限界から頓挫したこともある。メールや表計算ソフトウェアを用いた旧来の進捗(しんちょく)管理では、関係者間の要件調整や合意形成に多大な手間を要し、プロジェクトの停滞を招いていたからだ。

 そこで東急は、情報の集約とプロジェクト管理のシステムとしてヌーラボの「Backlog」を導入した。結果として、150人の足並みをそろえることに成功。2026年2月に新システムをリリースし、巨大な会員システムを現代的なアーキテクチャに移行させるミッションを完遂した。

 事業部門とIT部門が混在する巨大プロジェクトにおいて、東急はいかにして認識のずれを防ぎ、タスク漏れのない「自律的に動く組織」を作り上げたのか。

「非技術者にも使ってもらえるツール」の重要性

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