機密データを守るローカルAI

複雑なKubernetesクラスタは“手作業”では守れない? 「SLM」が導く解決策

Kubernetesクラスタにおいて、過剰な権限などの設定ミスはデータ漏えいを引き起こす要因になるが、脅威を手作業で洗い出すことにも限界がある。外部にデータを渡さずに、AI技術で素早くリスクを評価する手法とは。

 コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」で、複数サーバを連携させて1つのシステムとして機能させる「Kubernetesクラスタ」を活用する上では、その構成の複雑さがセキュリティ面での課題になっている。特に金融機関のような規制の厳しい業界では、開発中の製品やサービスがどのようなセキュリティリスクにさらされているかを特定して、事前に対策を打ち出す「脅威モデリング」をアプリケーションごとに実施しなければならない。しかし、手作業による従来のアプローチでは、システムの分析に2、3週間の時間を要していた。

 クラウドインフラは日々変化しており、手動の評価プロセスでは現状に追い付くことが難しい。そこで登場したのが、生成AIを活用した脅威モデリングの自動化という新たな仕組みだ。

 この仕組みは、軽量化されたAIモデル「SLM」(小規模言語モデル)と、外部のデータベースから関連情報を検索して回答精度を高める技術「RAG」(検索拡張生成)を組み合わせた手法だ。過去の脅威モデルやセキュリティ標準のデータをAIモデルに読み込ませることで、Kubernetesクラスタ内の脆弱性を自動的に洗い出してリスクスコアを弾き出す。これによって、評価作業をわずか1、2日に短縮できるという。

 機密性の高いシステム情報を外部のAIモデルに渡さず、SLMとRAGを組み合わせた脅威モデリングはどうすれば実現できるのか。具体的な導入事例と技術的な詳細を解説する。

数週間の作業をわずか1日に短縮したSLM×RAG

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