企業によって「Kubernetes」クラスタの運用管理に求める要件は異なるものの、運用管理において実施すべき操作、考慮すべき原則は共通している。具体的に何をすべきなのか。
コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」で効率的かつ大規模にコンテナクラスタ(Kubernetesクラスタ)を管理するには、自動化が重要なポイントとなる。そのために活用できるのが、Kubernetes運用管理ツールだ。
Kubernetesクラスタの運用管理は、デプロイ(実行環境への配置)時の設定を効率化する手法とツールを使い、CPUやネットワークなどのリソースの利用率、通信速度といったパフォーマンスのレベルを監視する。これにより、必要に応じてスケーリングできる体制を整える。デプロイ後に、Kubernetesクラスタの可用性とのレジリエンス(回復力)を確保するために、適切なインフラを選択することも重要だ。
このように複雑なKubernetesクラスタを効果的に管理するには何をすべきか。以下で基本的な幾つかの原則を紹介する。
Kubernetesクラスタをセットアップする前に適切なハードウェアやインフラを選び、デプロイ以降の段階で可用性を維持できるようにする。システムを適切に構成して、冗長性を確保することが重要だ。
アプリケーションをKubernetesクラスタに展開した後は、必要に応じてアップグレードやロールバックを実行する。自社の要件に合ったパフォーマンスレベルを確保するために、アプリケーションのライフサイクル全体を管理しなければならない。
Kubernetesを使用してインフラを効果的に管理するには、運用管理計画における3つの中核領域に注力する必要がある。
監視とロギングでは、Kubernetesクラスタの健全性とパフォーマンスを綿密に監視する。それにより、システムに悪影響を及ぼし得る問題を見つけ出すためのメトリクス(指標)とログを分析する。問題を早期発見することで、大きな問題に発展する前に対処できる可能性がある。
アプリケーションは時間の経過とともに拡大するため、スケーラビリティも重要な鍵となる。自動スケーリングツールを使用して、自動的に必要なリソースを割り当て、コストを掛け過ぎずにパフォーマンスを最適化することが、効果的な運用管理につながる。
Kubernetesクラスタの運用管理戦略には、セキュリティとアクセス制御が欠かせない。具体的には以下の項目を実行するとよい。
次回は、Kubernetesクラスタの運用管理ツールを比較する。
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