数字だけを追うとゲームがつまらなくなる

「ポケモンGO」の運営は“AI任せ”だと大失敗? レイドを支えるインフラの正体

Nianticは「Pokemon GO」の人気機能において、参加率の数値を追い求めた結果、街が同じキャラクターだらけになるという致命的な問題に遭遇した。データへの過信が招くリスクに、同社はどう立ち向かったのか。

 企業において、顧客の行動データに基づくDX(デジタルトランスフォーメーション)やサービス改善は喫緊の課題となっている。特に、スマートフォンの位置情報を活用したゲームの代表格である「Pokemon GO」のように、現実世界での探索や他者との交流を促す大規模なB2Cサービスでは、ユーザー体験の維持が事業の存続に直結する。

 Pokemon GOの中核となる人気機能「レイドバトル」には、ある大きな課題が生じていた。それは、エンドユーザーの活動時間帯や現在地と、出現するキャラクターの難易度が合致しないというミスマッチだ。社会人が昼休みに会社の近くでプレイしようとしても、低難易度のキャラクターしか出現せず、期待外れに終わるといった事態が頻発していたのだ。

 この課題を根本から解決するため、開発元のNianticは、単純なルールベースによる制御から脱却し、データを意思決定の軸とする「データ駆動」の考え方に基づき、機械学習を活用するアプローチへと大きくかじを切った。曜日や時間帯、地域性、ゲーム内のイベントといった多様な条件を考慮し、世界中の数百万の拠点において、いつ、どこで、どの難易度のキャラクターを出現させるべきかを自動的に予測する仕組みを導入したのだ。結果として、この取り組みはレイドバトルの参加率を2桁成長させるという大きな成果をもたらした。

 世界規模で数兆にも膨れ上がる選択肢から、Nianticはいかにして最適なスケジュールをリアルタイムに導き出しているのか。

数値の最大化が招くファン離れ

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