“完璧な再構築”よりも優先すべきこと

障害時の「責任逃れ」をどう防ぐ? AWSが明かす報告書作成手順

システム障害の事後対処において、自己に都合の良い報告がなされるリスクは常にある。AWSが実施している、内部の責任逃れを排除し、原因究明を可能にする客観的なレビュー体制とは。

 ソフトウェアをインターネット経由で提供するSaaS(Software as a Service)やクラウドインフラの利用が定着する中、システム障害が事業に与える影響はかつてなく大きくなっている。障害対処において、システムの復旧と同程度に重要なのが、事後の情報開示だ。不透明な報告は顧客の不信感を増幅させ、最悪の場合はサービスの解約につながるからだ。

 Amazon Web Services(AWS)のサポートチームは、障害後の対処におけるRCA(Root Cause Analysis:根本原因分析)を単なる報告書ではなく、「顧客からの信頼を取り戻すための重要な手段」と位置付けている。同社は過去10年以上にわたり、障害発生時の分析とドキュメント作成のプロセスを磨き上げてきた。

 AWSのRCAは、「影響の概要」「根本原因」「詳細なタイムライン」「具体的な再発防止策」から構成されている。分かりやすい記述と、机上の空論ではない実行可能な改善策の提示を重視しているという。

 障害という混乱の中でどのように事実を収集し、報告書を作り上げているのか。AWSによるRCA作成の具体的な手順と、客観的な品質を確保するための仕組みを解説する。

「後からデータを収集すればよい」は誤り

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